豊島逸夫の手帖

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米国二位の公的年金、日本株買いへ動く

2014年11月19日

カルスターズ(CALSTRS)とはカルフォルニア州教職員退職年金基金(California State Teachers` Retirement System)の略称。1850億ドル(約21兆円強)を運用する全米第二位の公的年金基金だ。(第一位はカルパース=カリフォルニア州職員退職年金基金)。
そのCIO(運用総責任者)クリス・エイルマン氏が、18日の米国経済チャンネルに生出演して、「日本経済は、今日のこともあり、まだ目標に届いていないが、再出発を始めた。日本株は、ポテンシャルを持つ投資機会だ。」として、メキシコ株と並び、推奨「外国株」とした。「ただし、絶対円売りヘッジつき」と強調している。
彼らの株式ポートフォリオの米国株保有は80%が内部運用によるインデックス投資という。米国株への追い風は若干弱まっているが、逆風というわけではない。業績や自社株買いも、悪くはない。高値圏での警戒感があるが、まだ、持ち続けるべきだ、と語る。
アクティブ投資はフィーが高く、それに見合うパフォーマンスが得られないのでポートフォリオ配分は低いが、具体的には、米国小型株、日本株、メキシコ株などが、その例とのこと。
筆者はカルパース元CEOの元で6年働いたことがあり、そのときに、米国公的年金基金も日本同様に横並び意識が強いことを実感した。カルパースやカルスターズが動けば、他州の公的年金も追随することが多いのだ。今年、カルパースが運用対象からヘッジファンドを外したことも、他の公的年金へ衝撃を与えた。
それゆえ、安倍首相の増税延期・解散発表から8時間後の、この発言が注目される。

世界の視点にたてば、欧州株や中国株より、日本株のほうが、相対的には「買える」という判断なのだろう。どの地域の経済も構造不安要因をかかえるが、その中で、日本株の相対的ポテンシャルに注目しているようだ。
なお、18日はNY系ヘッジファンドのなかにも、「日本株買い・円売り」が再び「ホットなトレード」として継続する動きが見られた。
いっぽう、日本GDPマイナス成長と安倍政権の安定性を懸念するファンドもある。総じて、見方は真っ二つに分かれる、というのが実態だ。
それでも、筆者が予想したより、ジャパンへの悲観論は少なかった。
ここから継続あるいは新規ポジションとすれば、当然、目標は日経平均で18000円以上、円相場は118円から120円となる。
欧米マネー、日本関連で、まだまだ、やる気があるようだ。

貴金属関連は、金が、一時1200ドルの大台を突破したが、維持はできず、1190ドル台に反落した。
ECBの変形量的緩和で、さまざまな資産を購入しているので、その対象に金も考えられるとの高官発言があった。更に、スイスで外貨準備の20%は金で保有せよ、との国民の声を受けて、国民投票にかけられる。ただし、いずれも、当局の反対もあり、不透明なれど材料視されている。
為替は117円台乗せ。

さて、今日の日銀金融政策決定会合を受けてのニュース・コア・ワイド出演の告知はこちら↓

http://www.nikkei-cnbc.co.jp/program/newscore/

今日の写真は丸の内でのチョコレート系スイーツ。

2003a.jpg10月31日、これを食べながら、丸の内の喫茶店で美人キャスターとお茶したところに、NYから「大変だ。サプライズ緩和だ」の第一報が入った、と、今週号東洋経済「日銀バブル」記事(42ページから)冒頭はドキュメンタリー調で始まっています(笑)。

2014年