2014年6月25日
152日間の長期にわたって続き、7万人が参加したプラチナ鉱山のストライキがようやく妥結した。アングロ・プラチナ、インパラ、
ロンミンの主要三社が労働組合側(AMCU)と合意したと正式発表。6月26日から職場復帰となる。
妥結案の内容は、まず、月給12500ランド以下の労働者は今後2年間、月1000ランド(94ドル)賃上げとなる。月給12500ランド以上の労働者は最初の一年間は8%賃上げ。それ以降は7.5%。この協定は3年間有効。(経営陣は5年間を主張していたが、労働組合側が押し切った。)
しかし、これから操業再開のプロセスには幾多の困難が待ち受ける。
既に年間生産量の1/5にあたる30トン前後のプラチナ生産が失われた。その結果、プラチナ国際市場では2014年には約36トンの生産不足に陥る。実に40年ぶりの事態だ。
更に、生産再開までには、労働者の再教育、健康診断(特にエイズ)、施設の安全性チェックなど、少なくても2-3ヶ月はかかる。多くの出稼ぎ労働者は実家に帰国して、復帰に時間がかかりそうだ。
一方、パラジウムも年間48トン程度の供給不足になる見通し。
その結果、プラチナ・パラジウム価格も、スト妥結にもかかわらず急騰している。プラチナ価格は20ドル前後上げて1470ドル台。パラジウム価格は10ドルほど上げて820ドル前後。
そこには投機筋の「スト妥結の噂で売り、妥結のニュースで買い戻す」動きも見られる。
「今年はプラチナ」という筆者の見立ては変わらず。
下がったら買い。
南ア政情不安は構造的問題ゆえ、再び南ア関連で一段と急騰ときもあろう。その時は吹き値売り。
パラジウムはロシアと南アの二つにリスクが絡んでいるので、乱高下に拍車がかかりやすく、あまり手を出したくない。「できすぎた話」には要注意。
さて、Toshima & Associates 副代表治部れんげが、下記の集会に登壇します。
「9万人のクリック、その先は?」
都議会セクハラ野次事件の今後の対策をみんなで考えよう!
日 時 6月26日(木) 12時30分から15時まで
会 場 参議院議員会館 101会議室