2014年6月27日
首題は、東洋経済今週発売号(6月28日号)のカバーストーリーの見出し。
私のコメントもP52の特集最初の部分とP61に引用されているので読んでみてください。
ひとことで「ガイジンマネー」といわれるけど、ヘッジファンド、HFT,CTA,年金基金、運用会社、そして政府系ファンド(SWF)と色々あります。
私は、特にSWFに注目しています。
ノルウエー政府年金基金のようなオーソドックスな長期投資から、アブダビ通貨庁のようなオイルマネーの短期的に値幅を取りにくるところまで、さまざまです。
なにせ、公的機関だから資金量は民間と比べものにならないほど豊富。そのマネー力にものいわせて、グイグイ攻めてくるのが中東系SWFです。
株・外為の世界でも、金の世界でも存在感を増しています。
特に、民間の金融証券が、ドッドフランク法の影響で内部リスク管理が厳格化され、トレーディング部門が縮小され、市場の流動性が薄くなりつつあるので、公的部門の影響力は強くなる一方です。
詳細は記事を読んでみてください。
来週の週刊エコノミスト号にもグローバルマネーの流れについてコメントの予定です。
それから、日経マネー今月号の連載コラム「豊島逸夫の世界経済深層真理」では「超高速取引の設備産業化とAKB景気」について書きました。
更に、今日の日経電子版には「日銀、緩和負けの円高、潮目が変わる日」を書きました。
金関連では、昨日のフィナンシャルタイムズとウオールストリートジャーナル紙が、「中国の金偽装売買、150億ドル(訳1兆5千万円相当)に達する」と中国公的監査局が正式発表と書きたてています。これは、本欄でも以前から指摘していたことですが、中国の公的機関の発表というところにインパクトがあります。
昨年、中国の金輸入が異常に膨張したとき、日本では「中国人民銀行金購入説」がまことしやかに流されました。その時、私は、いやいや、これは金を使った裁定取引だ。私は、現地でこの目で見てきたこと、と書きました。
私の推定では2012年以来200トン程度と見ていましたが、今回の発表だと2012年以来350トンを超えることになります。
但し、これで、中国の大量金輸入は「偽装輸入」と見るのは如何にも早計。昨年でいえば、約1000トンの中国金需要の中で、100トン程度がこの種の売買にあたる、という感じでしょう。
この仮需が、業界在庫となって積み上がっているので、今年の中国金輸入に昨年ほどの勢いが見られないわけです。