2014年12月11日
クリスマス休暇を控え、ヘッジファンドは、虎視眈耽と日本株買い・円売りポジション巻き戻しのタイミングを狙っていた。
そこに降って湧いたような、ギリシャ不安再燃と、中国株乱高下。
彼らの立場からは、恰好の売り手仕舞いの口実となった。
ここで、今後の日本株を占う勘所は、この巻き戻しが、単なる年末調整なのか、あるいは、日本売りの兆しなのか、という点だ。
結論からいうと、日本国債格下げに基づく日本売りの兆しは見えない。
ヘッジファンドと侃侃諤諤の議論をしていると、日本売りどころか、日本頼みの論調が目立つ。
まず、日本国債の問題は「ファミリー・イシュー=家族の問題」として片づける。親の積み上げた公的債務1100兆円の借金は、子が1600兆円の個人金融資産で十分に返済できる、との読みだ。国債急落が生じるとすれば、公的債務と個人金融資産が逆転するとき。まだ先の話というわけである。
一方、2014年ヘッジファンドの台所は極めて苦しい。
そもそも、年初、「量的緩和縮小・終了の年は、米長期金利も3%-4%へ上昇は当然」と読み大量の米国債売りに走ったことが、つまづきの始まり。
その中で、日本株買い・円売りは稼ぎ頭のひとつとなった。
足元では、日本経済も不安だが、欧中経済はもっと不安。米国経済には利上げの関門が待ち受ける。運用配分は相対評価ゆえ、まだマシと思われる日本が浮上するのだ。
週末のヘッジファンドとの電話会議のテーマはずばり「2015年投資戦略」だった。まず、そこに筆者が参加要請されたことに、彼らのジャパントレードに対する本気度が感じられる。
彼らの平均的2015年ターゲットは、まず第一ラウンドが日経平均ベースで20000円。円相場は125円。
クリスマス明け12月29日後には実質新年入りする欧米市場で、ヘッジファンドは、出来るだけ早い機会に円売り再開に動く構えだ。そのためには、今回の利益確定売りで出来るだけ、市場を円高方向に振らせておきたい、という本音が透ける。
日本株も、買いを前提にすれば、2015年の発射台は低いほうが望ましい、と考えるようだ。
跳び上がるまえに、かがんでエネルギーをためるイメージであろう。
今回の売り攻勢で、日本株をどこまで下げられるか。
日銀対ヘッジファンドのせめぎ合いに注目だ。
なお、筆者にしては珍しく今週発売「週刊現代」という一般誌にコメントしている。経済特集記事中で、
「12月2日、3日と株価は上がりましたが、実は、海外投資家はほとんど買っていません。海外のヘッジファンドや年金ファンドはすでに日本株から離れ始めている。」
「年末にも今年儲かっていないヘッジファンドが利益確定の為に、膨らませたポジションを一旦解消。円高株安に振れるシーンがあるかもしれないが、それは一時的なもの。その後は再び株高の流れに戻る」 以上
ドル建て金は1230ドル台で頭が重い。逃避マネーは逃げ足もはやい。
円高なので円建て金は下げバイアスがかかる。
ただし中期的には徐々に底値圏を値固めしつつあるね。セミナーで「底値圏」でいくらですか、なんて質問されるけど、そこまで正確に分かるワケないじゃん。自分だけ、なんとか大底で買いたい、なんて思う発想がダメ!10割狙わず、7割で良しとする、おおざっぱな感覚が必要だよ。本当の金持ちはそれを自然にやっているが、普通のサラリーマンほど、10割狙いたがる。その発想から脱却できないのなら、投資なんて止めて人生楽しんだほうがいいよ。