豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. トレーダーに必要な資質は?
Page1754

トレーダーに必要な資質は?

2014年12月25日

私の持論なのですが、トレーダーに必要なものはずばり「胆力」!キモ「肝臓」のでかい人間はトレーダー向きです。ストレスやアルコールの吸収能力が高いからです。残念ながら、日本人は民族のDNAとして肝臓が小さい傾向にあります。

私が部下をリクルートしているとき、レントゲン写真を持参させたものです。そこで肝臓の大きさを見る!
そんな話を先日の日経CNBC Trade's Barでしました。
まだUストリームで無料視聴できますよ。かなり笑えるシーンもあります。

www.ustream.tv/recorded/56244321

さて、もうクリスマス。
私の今年一番の思い出は、なんといっても、ウイーンの楽友会館ホールでバレンボイム指揮のウイーンフィルのリハーサルを一曲すべて特等席で見たことです!

2024a.jpg
2024b.jpg
相方の佐久間あすかキャスターと二人で、あのホールを「二人じめ」状態でした。写真添付しましたが、客席に頭二つだけ映っているでしょ。オケの音響が観客の衣服に吸収されることなく、直接カラダにぶつかってくる感覚でした。その後、日本でもウイーンフィルをサントリーホールで聴く機会がありましたが、全く異なる感じでした。

さて、今日の写真は、昨日イブの昼下がりに都心の隠れ家で食したケーキ。影の長さで時刻が分かるね。
ほっこりしたクリスマスイブでした。

2024c.jpg
そして、「柚子もなか」という和歌山名物スイーツ。
自然な柚子の香りがカラダに沁みた。。

そして、昨日日経電子版に書いた原稿↓

日米20000への道筋

ダウ平均が遂に大引けで18000ドルを超えた。
ウオール街の歴史的な日。しかし、そこで働く人たちの多くは実家に帰っている。筆者宛てのメールを見ても、オハイオ州、ネバダ州など地方からの発信が目立つ。
プロが現場から距離を置いて相場を見ると、冷静になるものだ。
大台突破のキッカケは米7-9月期GDP確報値5%の上振れであった。しかし、株価を動かすマクロ経済データとしては、同日発表された耐久財受注が事前予測を大幅に下振れしてマイナス0.7%を記録している。11月分なので7-9月期よりはデータの鮮度も高い。
結局、GDPは後講釈の説明材料として使われた。真の理由はFOMC後の記者会見での二つのイエレン発言にある、と実家滞在中のプロたちは読む。

まず「利上げ決定が、今後2回のFOMCでは無い」との明解なコメント。これで、少なくとも2015年1-3月期は、「利上げ執行猶予」との安心感が生じた。
そして「原油安は米国経済にネットではポジティブ」(恩恵のほうが大きい)との発言。当然と思える話も、FRB議長の口から出ると重みが違う。
結局、来年前半は日米欧に中国も加え、世界的な同時金融緩和傾向が、ほぼ確実なシナリオになった。

こうなると、市場の反応も180度変わる。
これまでは、良い経済データは早期利上げ観測を誘発するので「悪いニュース」とされがちだった。
しかるに、23日は、素直に良いGDP確報値を「良いニュース」として評価。更に、悪い耐久財受注は軽くスル―している。
投資家マインドとしては、せっかくの「過剰流動性パーティー」ゆえ、ここは参加して、その恩恵にあずかりたい。しかし、ホスト役のイエレンさんが、中締めの挨拶を始めたら、直ぐに会場から退出できるように、できるだけ出口に近い場所に陣取る、という本音が透ける。

今後の展開だが、日米とも2015年株価目標は20000の大台にある。
問題は、その達成プロセスだ。
1-3月期に一気に20000まで突っ走れば、Sell in May(5月は売り)となる可能性が強まる。
逆に、ロシア経済不安などのリスク要因が株価のアタマをおさえるケースもあり得る。そこでは、値幅取りのヘッジファンドは売り手仕舞いに動き、年金などの長期投資派が残る、という意味で、市場体質がメタボからスリムで健全になろう。より持続性の高い上昇相場が期待できる。ただし、短期的株価乱高下だけは覚悟せねばならぬ。キャプテンのイエレン・クロダ・ドラギを信じ、シートベルトだけは低めにタイトに締めることになる。

ワイルドカードは債券市場であろう。
株式市場は楽観論で育ち、債券市場は悲観論で育つ。
23日には債券が売られ、米10年債利回りが2.3%台まで上昇した。日米金利差は拡大して、ドル高が進行。ドルインデックスもついに90の大台に乗せた。一方、円安は120円突破後、更に加速している。
しかし、日米金融当局ともに、原油安によるインフレ率2%目標からの乖離には神経を尖らせている。
更に、原油需要減が世界経済低成長の証しとされれば、悲観論が債券買いを誘発するシナリオも視野にはいる。

2015年の市場の中期的方向性は4-6月まで定まらず、1-3月は、2014年の延長となりそうな様相である。

ドル高、株高で金は1170ドル台。売られ気味。プラチナも1180ドル台。
プラチナはかなり安くなり、値頃感強まる。それにしても1200ドル割れの水準で金プラチナがほぼ同水準になる状況は想定してなかった。

2014年