豊島逸夫の手帖

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5年債マイナス金利が日本売り誘発か

2014年12月26日

クリスマス休暇は、NY市場の友人たちとじっくり話す機会でもある。
そこでの話題は、まず円安だ。
2014年苦戦を強いられたヘッジファンドにとって、円売りポジションは、貴重な稼ぎ頭であった。
2015年も円先安観が強いだけに、更に130円をめざし、円売り攻勢をかけたい、との思惑が強く伝わってくる。
そこで、彼らは、何を円売り加速の引き金と見ているか。
筆者の注目は、5年債がマイナス金利に転じるとき、という見方が複数あったことだ。

彼らの市場感覚では、マイナス金利が5年債にまで及ぶとなれば、「財政ファイナンス」(財政赤字を中央銀行国債購入でまかなう)リスクの切迫感が強まる。
シャンペンの勢いもあるのだろうが、「日本売りの引き金を引くことにもなりかねない」という言い回しも見られる。
26日の日本債券市場では、10年債が過去最低の0.300%の攻防となっている。
連れて5年債も0.03%台にまで下がってきた。この1か月で1%前後の急落だ。
このような債券市場の地合いが続くと、新年早々に5年債マイナス金利のシナリオも現実味を帯びてくる。
そのときは、欧米市場で日本の財政規律の緩みがリスク要因のひとつとして認識されよう。あるいは投機筋が好んで囃す材料にされやすい。
ヘッジファンドの仕掛けとしては、5年債がマイナス金利に接近した時点で、いち早く円売りに先走る可能性がある。
静かに、5年債利回りの「臨界点」が意識され始めた。

さて、昨晩はクリスマスディナーを行きつけの洗足池イタリアン「マガーリ」で。
NYのHouse of Lasagna で食べたホウレンソウのラザーニャが美味しくて、再現してもらった。


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そして白トリュフのパスタ。
香りがいい。

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ちょうど、貴金属業界の女子会(やや年齢層たかめかな?? 笑)をやっていて賑やかなクリスマスディナーでした~。

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なお、昨日の日経夕刊「らいふ面」で「金つぶ」が紹介されてます。

2014年