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プラチナ・パラジウム市場の需給

2014年7月7日

この原稿は今日(月曜日)の昼に、丸の内で開催されているGFSM貴金属セミナーのランチタイムに書いています。

午前中のセミナーでは、プラチナ・パラジウムの総論がプレゼンテーションされました。

プラチナ需給(トン)

2012

2013

+(-)

鉱山生産

180.6

184.8

4.2

+2

自動車廃触媒

28.0

30.5

2.5

+9

中古スクラップ

13.3

12.6

(0.7)

-5

総供給

221.8

228.0

6.1

+3

自動車触媒用

91.7

90.6

(1.1)

-1

宝飾用

70.5

71.1

0.6

+1

その他

61.2

51.2

(10.0)

-16

総需要

223.4

212.8

(10.6)

-5


この結果、2012年は1.6トンの供給不足だったのが、2013年には15.1トンの供給過剰になっています。

しかし、2014年には、過去最大級の鉱山ストライキにより、すくなくとも30トン以上の鉱山生産が失われています。更に、施設には、閉鎖中に使用できなくなった部分もあり、供給不足に転じ、更に長期化するとの見通し。

パラジウムの需給(トン)

2012

2013

+(-)

鉱山生産

202.2

200.4

(1.8)

-1

自動車廃触媒

44.4

49.8

5.4

+12

中古スクラップ

8.1

9.0

0.9

+12

総供給

254.6

259.2

4.5

+2

自動車触媒用

188.8

195.1

6.3

+3

宝飾用

20.2

18.0

(2.2)

-11

その他

81.5

78.1

(3.4)

-4

総需要

290.5

291.2

0.65


この結果、2012年には供給不足が35.9トン、2013年には同じく供給不足が32.0トン。

2014年は、更に供給不足が増加する。

プラチナ・パラジウム価格が上昇している需給の背景が分かりますね。

以前、本欄でGFMS・CEOの「プラチナ・パラジウムが同じ価格水準になる」という説を紹介しましたが、GFMSのCEOは変わっても、「プラチナ・パラジウムの値差が劇的に縮小する」という見方は変わらないようです。

それでは、これから、GFMSアナリストと檀上でパネルディスカッションやってきます。

2014年