2014年8月25日
いまや、ウオール街のはやり言葉になった感さえあるslack(労働市場の余剰)についても、ほぼ断定的な「充分に活用されない労働力」という言い回しから、「労働力活性化の兆し」を示唆する表現をも併記して盛り込むようになった。
利上げについての言及も、「利上げを早まった場合の弊害」とほぼ同等の比重で「利上げが後手にまわった場合のリスク」についても併記するようになった。
超ハト派から「超」が抜けた印象が強い。
10月に量的緩和終了はもはや確定。次の問題は利上げ開始時期。これまでは、まだ「相当期間」あるとFOMC声明文では表現されてきた。とはいえ、その「相当期間」のカウントダウンが始まったことはたしかだろう。(ロックハート氏は、相当期間を数ヶ月と表現した)。テン(10)、ナイン(9)、エイト(8)と進むカウントダウンが先週はナイン程度に留まった。これがエイトに進むか否かは、次の雇用統計とFOMC(9月16-17日)の結果次第だ。このカウントダウンは、一挙にファイブ(5)、フォア(4)と急進する可能性も秘める。
市場の反応も、今週はまだ多くの市場参加者が夏季休暇モードなので、方向性を決めるには「定足数」に満たない状況だ。
例年、米国市場はレーバーデー(今年は9月1日)後に、本格的秋相場入りする。
昨年は、9月16、17日のFOMCで、「量的緩和縮小決定ほぼ確実」と見られていたが、当時のバーナンキFRB議長は軽くスル―するちゃぶ台返しを演じた。
そのFRB議長がイエレン氏になった今年の9月FOMC。果たして「利上げ開始時期」明示などのサプライズがあるのか否か。
昨年の記憶がまだ鮮明に残る市場は、身構えて待ち受けている。