豊島逸夫の手帖

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虫の目と魚の目と鳥の目で見た金価格上昇

2014年2月17日


金価格は1320ドル台まで上がってきました。
虫の目で見ると、1200ドル割れから100ドル以上も上がったということになるし、魚の目で見れば、1800-1900ドル台から下げ続けて、さすがに反騰したともいえます。
(いまさら、このブログでは虫の目、魚の目、鳥の目の説明はありません)


虫の目でみれば、好調なはずの米国経済が寒波の影響もあってソフト・パッチ(ぬかるみ)にはまった感じがあるので、イエレンさんが、予想より長く緩和政策を採り続けるのではないか、との観測がドル安を誘っています。
加えて、小康状態とはいえ、新興国経済変調が、安全性を求めるマネーの金市場流入現象を一部で引き起こしています。
テクニカルには、200日移動平均線を突破しました。


次に、魚の目でみると、欧米のディスインフレ傾向、米国の緩和縮小の流れ、そして、利上げも視野にはいる、という状況に変わりはありません。
欧米の物価上昇率が通貨当局の目標値を下回る現象は続くでしょう。緩和縮小から利上げ(ゼロ金利解除)への流れは、イエレンFRBに課された任務でもあります。
米国経済も、もたつき気味ですが、少なくも、新興国・欧州に比べれば、いち早く回復軌道に乗りつつあることに変わりはありません。これは魚の目で見ればドル高基調を意味します。
黒田日銀が量的緩和の入り口に立つときに、米国は既に出口を模索しているという市場環境も変わりません。円安・ドル高がトレンドということです。
ですから、魚の目でみれば、かねてから述べているように、「金の本当の下げは今年後半」と見ます。イエレンが利上げの「検討」に入るときです。
昨年の日経マネー金別冊のプロ対談で「2014年の金価格は1-3月にドル安で高値をつける」と述べた記録が残っていますが、その相場感に変わりはありません。今回の上げが、今年の高値でしょう。


そして、鳥の目で見れば、2020年の東京オリンピックまでにはグラム7700円(ドル円120円前提)の持論に変わりはありません。
鳥の目でみれば、下がっても1100ドル。1200ドルは底値圏。このブログでも、1200ドルすれすれまで下がったときに「私は金を買っています」宣言 しましたが、1300ドルでは買う気はありません。勿論、ドル円も大事な要素ですが、100-105円のレンジで動いている限りは、大きな変動要因ではあ りません。


さて、土曜日は、あの大雪の直後、あの東横線の最終駅である「元町・中華街」駅直結のセミナー施設で、講演しました。主催は、保険のプロで本音をずばり語る後田さんの運営する一般社団法人バトン。ナビゲーターは、前日経マネー編集長で、現大人のOFF編集長の安原さん。

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営利法人の主催ではないので、遠慮なく本音ぶっちゃけで語れるところがいいですね。こういうセミナーには、意気に感じて手弁当で、参加します。
この横浜セミナーには、あの雪の日に、日帰りで京都から参加してくれた女性もいたと安原さんがビックリしてました。セミナー後の個別質疑応答で少し話す機 会がありましたが、列が出来ているから、決して、自分だけ質問し続けない配慮をしてくれる方です。フェイスブック女性COOの著書「Lean In」を前回に薦めたら、一気に読んでしまったと言ってましたね。
長野から応募した方は、残念ながら、大雪で物理的に横浜まで来れずとの連絡。
以前、広島でブログを一回目から1500回以上になりますが、毎回欠かさず読み続けているという女性読者に会ったときも感動しましたけどね。


なお、3月12日発売予定で今、怒涛の追い込み中の日経ジェフムック2014年バージョンの出版記念講演会は、東京と関西で「自主開催」する予定です。

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(まだファイナルではありませんが。)


昨日の日曜も、スキーには行かず、ムック制作にとりかかっていました。ガーラ湯沢が「強風のため営業中止」と聞いて、普段ならガッカリするところ、昨日に限っては「やった!」という正直な反応でした(笑)。
ちなみに、横浜セミナー会場写真では判別しにくいですが、当日の私はスノボー用のダブダブのウエアで会場までたどり着き、そのまま登壇でした。

2014年