豊島逸夫の手帖

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米雇用統計後に株高の理由

2014年2月10日


7日発表された米雇用統計は、非農業部門新規雇用者数が、市場の事前予想17万人程度を大きく下回り11.3万人にとどまった。
ニューヨークの株価は、発表直後の時間外で瞬間的に100ドル以上急落したが、結局165ドル高で引けた。
最近の相場つきは、「悪いニュースに対しては、素直に下げる」というオーソドックスな傾向に戻っていたのだが、7日には「悪いニュースは良いニュース」と解釈する地合いとなった。なぜか。
結論からいえば、11日と13日に初の議会上院下院の公聴会に臨むイエレン新FRB議長のイエレン・プット(株価が下がれば、FRBが助け舟を出す)への期待感が強まったからであろう。
雇用統計の示す各指標がバラバラで方向性に欠くゆえ、このまま放置すれば、新興国不安にも助長され、市場の懸念は強まり、リスクオフが強まる。
インドやインドネシアの財務相からは、米国の金融緩和縮小が「経済政策面での国際協調を欠く」との批判的な声もあがってきた。
そこで、議会の公聴会でも、厳しい質問が飛ぶであろう。
それに対し、新任FRB議長が、いきなり、現在の金融緩和縮小ペースを変えるような発言はあり得ないが、新興国不安や米雇用懸念に対して無策ではなく配慮するくらいの言及はあるであろう、との市場の読みである。

肝心の米雇用統計の分析だが、良い面と悪い面をまとめてみた。

    良い部分
  1. 悪天候の影響が強いのであれば、天候回復とともに雇用も回復するであろうと考えられる。経済統計上は、「外れ値」「異常値」と扱うべきではないか。
  2. 新規雇用者数の内訳を分析すると、製造業と建設関連で、それぞれ2万1千人、4万8千人と力強く増加している。
  3. 失業率改善の一つの要因とされる労働参加率下落傾向が、1月は62.8%(12月)から63%への増加に転じた。従って、失業率の6.7%から6.6%への改善も素直に「改善」と評価できる。
  4. 11,12月分の新規雇用者数は、3万4千人、上方修正された。

    悪い部分
  1. なんといっても、新規雇用者数の増加ペースが市場の事前予想より大きく下振れて、鈍化している。
  2. 雇用統計は単月の振れが大きいので、過去3カ月、6カ月の月平均値で読む必要がある。10-12月の18万3千人に比し、11月―1月は15万4千人に減 少した。7-12月の6カ月平均では17万5千人に対し、8-1月17万9千人に増えているが、20万人の大台には届いていない。
  3. 労働参加率の単月の改善をもって、長期下落傾向の底打ちとまで断じることはできない。この問題には景気循環的要因とベビーブーマーのリタイアなどの構造的要因がある。
  4. 雇用悪化を全て「天候要因」で片づけることの危うさもある。あくまで「状況証拠」では、悪天候が強く疑われるが、厳密に検証できる証拠はない。悪天候が覆い隠した要因の有無も検討すべきだ。
  5. 雇用統計関連ではないが、7日にルー財務長官は、議会が連邦財務上限引き上げで合意できないと、デフォルトに陥るXデイを2月27日とする警告を発した。 米国経済不安要因が 複合化している。なお、4日には米議会予算局(CBO=超党派)が、オバマケアにより、就職すると政府補助が減るので求職しない人た ちが増えることで、2021年までに、正規雇用者が230万人減少するとの試算も出している。


以上を総括すると、ベクトルの異なる要因が交錯している状況が鮮明だ。
それゆえ、市場の期待は、イエレン新FRB議長の金融政策舵取りに集中する。その期待感が裏切られたと市場が感じたときの反動も強く出ることとなろう。具 体的には、前任者(バーナンキ前FRB議長)が利上げへの転換の目途として明示してきた失業率6.5%が目前に迫り、新任のフォワード・ガイダンス変更 (6.5%を6%へ引き下げ、失業率重視からインフレ率重視への軸足変更など)の可能性が指摘される。
なお、7日のニューヨーク市場では、10日からの週のマーケットのキーワードとして「2つのY」が語られた。イエレンとYEN(円)である。円相場動向も、今や、欧米市場では、注目の的といってよい。 「Yの悲劇」のリスクを回避する動きも強まろう。


金市場は、新興国経済変調が米国経済にも「伝染」するシナリオを考え、短期的に買われている。伝染すれば、FRBの金融政策も、利上げ先送り、実質的緩和延長となるからだ。
金価格は1260ドル台、プラチナは1380ドル台、その差、120ドル前後で推移している。
引き続き、金の上値は重く、プラチナは軽い。


さて、冬季オリンピックの上村愛子の4位には、テレビの前で泣いたね。ほぼ完ぺきな滑りだった。でも、ベースの点が、上位3人より低い、ということは、最初からハンディ背負っていたのだね。私の中では、同じ土俵ならメダルだよ~
とにかく、あの場で最高の滑りが出来たことが素晴らしい!
日本のモーグルの「聖地」で、彼女も練習に使っているのが、(私の第二の故郷の)福島県は猪苗代にあるリステル。建物はバブルっぽいけど、猪苗代湖に飛び 込むような感覚のゲレンデ。湖からの逆風が猛烈に強いときは、滑っているのに、前に進まず、逆風によりかかってゲレンデで停止状態になることもある。
その奥にあるのがモーグル・ゲレンデ。実際に斜面に「育った」コブの大きさ、高さを見ると、圧倒されるよ。私なんかの技術では、とても歯が立たない、異次元の世界!
ソチは、更に、厳しい設定だから、それを、本番にほぼ完ぺきに滑ることの凄さを実感するのだ!
その実感が伝わってくるから、4位でも、すがすがしく振る舞う彼女の姿を画面で見て、思わず泣いてしまったのだ~
上村愛子、カッコ良かったぞ!!
それで、週末、仕事があるのに、やりくりして、半日スキー行ってしまった(笑)。

2014年