豊島逸夫の手帖

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ハト派の反撃

2014年9月25日

先週のFOMCは、結果的にイエレン議長が、以前よりタカ派的になって、利上げに近づくと理解された。
そこで、今週になって、FOMC内のハト派から、反論めいたコメントが出て来ている。
昨日は、ハト派のシカゴ地区連銀エバンス総裁が、「早期に利上げすべきとの議論には非常な違和感を覚える。利上げは遅らせるほうがよい。利上げはせっかくの景気回復に水を差すリスクがあるからだ」と明言。
以前にも書いたが、現在のFOMC内でタカ派の両巨匠といわれるプロッサー・フィラデルフィア連銀総裁とフィッシャ―・ダラス連銀総裁が、今年度限りで投票権がなくなる。ある意味で、今やレームダック的存在になりつつあるのだ。それに代わる投票権を持つFOMC参加者として、ハト派委員が有力視されている。
このままゆけば、ハト派がイエレン氏以下、ズラッと並びそう。そうなると、当面、利上げは見送りの可能性も強まる。

そこでタカ派も黙っていない。
昨日、クリーブランド地区連銀のメスター総裁が、FOMC声明文の例の「considerable time相当期間」利上げはしない、との文言について言及。「もう、そろそろ、FRBも、この単語を声明文から削るべき時。そもそも、利上げは経済状況・経済データを見つつ決定されるべきで、時間軸で決めるべきではない。」と語った。これは、早期利上げ説(=ハト派)への釘刺しともとれる発言だ。新たなタカ派への名乗りか、と市場では受けとめられた。

依然、FOMC内部の亀裂は残る。イエレン議長は、立場上、まとめ役として、根回しに時間を費やすことになりそう。そういえば、先日のウオールストリートジャーナルで、FEDウオッチャー記者が、イエレン氏の毎日の活動記録を精査。その結果、多くの時間が、地区連銀総裁たちとの個別ミーティング(=根回し)に使われている、と報道していた。
とはいえ、俯瞰すれば、利上げの方向性に変わりはない。
金価格もそれを織り込み、下がっているわけだ。
その織り込みが終了した時点で、織り込み済みとなり、底を打つことになろう。

さて、今日の写真は、行きつけのイタリアン。洗足池のマガーリにて。長崎のハタのオリーブとのグリル。シンプルで素材の旨さが引き立ち、熱の入れ方も絶品。お気に入りのシェフのタカさんはセンスがいい。デザートも(なんだか忘れたが 笑)旨かった。そして、マダムが持っているのは、差し入れで持参した、我が家の庭の梅で作った自家製梅酒。6年熟成ものだよ~。
家庭的雰囲気の店でなごみます。マダムは大手商社の貴金属部出身。
それから、いただきものの、可愛らしいクッキー。渋谷区上原の西光亭のクルミクッキーとチョコクッキー。真っ白の粉糖に包まれている。
上品な甘さで後引きます。
相変わらず、食ってばかりだね~(笑)。

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2014年