豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. いよいよ総合取引所構想へ
Page1588

いよいよ総合取引所構想へ

2014年3月25日


デリバティブ関連取引がいよいよ大証に集約することになりました。
これで、東証と大証が合体した日本取引所が総合取引所となるわけです。最後に残ったのが、金先物など商品先物。現在、日本商品取引所が扱っているわけですが、これも大証に吸収されるのは時間の問題でしょう。そこで名実ともに総合取引所となるわけです。
米国でも、商品先物業者は、大手投資銀行に吸収されてきた歴史があります。いわゆる大手の資本による系列化ですね。
同じことが日本でもこれから起こるでしょう。
2年後の日本の商品先物市場の景色はドラスティックに変貌していることでしょう。


主たる市場参加者は、例えば、三菱コモディティーズとか住友コモディティーズとか三井コモディティーズなどに系列化されているでしょう。
ただ、かれらは、銀行・証券は社内にコモディティーの知見がないので、現業界の優秀な人材を一本釣りでリクルートしてゆくと思われます。
行政の管轄としては、今まで、商品は経産省でしたが、総合取引所になると、銀行・証券がメイン・プレイヤーになるので、金融庁管轄になります。省際問題で紆余曲折はあるでしょうけどね。グローバルな流れは変えられません。
個人投資家も、これまでは、コモディティー投資に興味あるが、商品先物業者の名前を聞いて尻込みする人が大半でした。しかし、銀行・証券となれば、この「躊躇」も解消されるでしょう。
やっと、日本でも欧米並みの市場が形成されてゆくと思われます。
コモディティーも、「胡散臭い」投資商品から、リスク分散の一つの手段として確立してゆくでしょう。


業界内では、ここ1-2年に激動期を迎えることになりそうです。
業界の特に若手諸君にアドバイスしたいことは、とにかく、自分のマーケット・バリューを高めておけ。会社に利用されるのではなく、会社を利用して自分を磨 け。これから間違いなく成長する分野だから、優秀な人材には希少価値がつく。日々の業務の辛さを愚痴るひまがあったら、とにかく勉強して自分の価値を高め ろ。ということです。

2014年