2014年10月31日
米国量的緩和縮小でNY先物金価格がまたぞろ1200ドル割れ。
日銀のサプライズ追加緩和で1180ドル台まで下落中。ドル円は111円台接近。
プラチナも連れて1230ドルまで下落。
NYでは、現物の金を持っていない人たちが空売りに走っています。
いっぽう、上海やムンバイでは、現地の金現物の売れ行きが増えて、現地価格にプレミアムがついています。
どうみても、底値圏のサインですね。
そして、日本国内では、円安で、それほど下がりません。
円安の時代には、なかなか金を安く買える時期は、そう来ない。
でも、だからといって、円で持っていれば、その円の価値(海外での購買力)は確実に減っています。
それでも、日本人は円を持っていると安心。ドルや金で持っているとリスクがあるから怖いといいます。
でも、プロの目からみれば、たとえば、ルーレットのゲームで全てのチップを「円」に張っているようなもの。それこそ、リスクがあります。
この「円だけで財産を持つリスク」を、日本にいると、なかなか実感をもって感じないのですね。
でも、日本人のライフスタイルは年々国際化しています。
衣食住の半分くらいは、ドル建てで輸入した素材や製品を使っているのです。
それなのに、お財布のなかみは、「円」だけ。
これって、絶対おかしいですよ。というか、知らず知らずの間に、財産が目減りしていることに気が付いていない、ということでしょう。
それが、海外旅行すると、一万円札を両替して買えるお土産の量がかなり減ってしまったことに愕然とするものです。
フィナンシャル・プランナーたちは、外貨建てにはリスクがある、といいますが、円建てのほうが円安でよほどリスクがあるのです。
金は外貨建ての商品で、円安ヘッジになることを、あらためて考えてみましょう。
ちなみに、私は財産の半分は金を含めて外貨建てにして保有していますよ。ドルであれば、ごく普通にドル預金してます。FXなんて、トレーダーとして散々やったから、自分のカネで、虚しいゼロサムゲームやろうなどと、まったく思いませんよ。
そんな時間あるなら、人生楽しみたいです!
あいかわらず、食いまくってますよ。
そういえば、洗足池の行きつけイタリアンのマガーリに、いつのまにか、このブログの読者たちが、結構通っているそうで。先日は、静岡から夫婦で来店とかいってました。
それから、今日の日経電子版のメルマガに、編集長がこんなこと書いています。↓
【編集部から】
豊島逸夫さんが昨日の「金のつぶやき」で、今回のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明をうけた米市場の反応は「初期反応」であり、いずれ吟味が進んで相場はもっと練れていくだろうと書いていました。
たしかに米雇用統計などをみていても、発表直後の反応と1、2時間たったあとの相場が逆のことがあります。いわゆるアルゴリズム取引がまず数字や文言に機械的に反応し、その後人間の解釈が本当の相場の流れをつくっていくためのようです。
こうしてみると、なにやら恐ろしげなアルゴリズム取引、高頻度取引も、材料の解釈に関しては出はなの将棋ソフトのようなものではと思ってしまいます。それにそもそも中長期の投資判断は将棋のような閉じた世界とは違いますし。
豊島さんはFOMC後の読み筋を書きながら、相場はやっぱり人間がつくるのだということを言っているわけで、いいことをいうなあと思った次第です。
(マネー編集長 深田武志)