豊島逸夫の手帖

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一足早く「出口」に反応する金市場

2014年7月15日

金利がつかない「金」にとって、利上げトークは天敵である。そもそも、リーマンショック後の金価格上昇トレンドも、ゼロ金利ゆえの現象であった。そのゼロ金利の前提が揺らぎ、金価格は下落した。あとは、利上げへの転換時期がいつか、が大きな価格変動要因となる。

イエレンFRB議長が就任後、強いハト派色をにじませると、「利上げまでの道遠し」との見方が拡がり、金は再度買われ、NY金先物市場での買い残高が急速に膨張した。しかし、雇用統計の数字が予想外の好転を見せると、市場内には、「利上げ時期前倒しも」の見方も台頭してきた。

そして、15,16日とイエレンFRB議長の議会証言を控えた14日の市場で、金は急落したのだ。1330ドル台から1300ドル台まで、2.5%という今年最大の下げ幅となった。

議会証言で、「ハト派」色が薄まるのでは、との懸念から、先物投機筋が一斉に手仕舞い売りに出たのだ。見切り売りがストップロスの売りを呼ぶ連鎖現象であった。

更に、14日には、ニューヨーカー誌に、イエレン議長のインタビュー記事が掲載されたことも、さまざまな憶測を誘った。

FRB議長が、一般雑誌の会見に応じることは、極めて稀だ。

「ウォール・ストリートよりメイン・ストリート」即ち、FRBが上から目線で庶民への配慮が感じられないとの批判をかわす狙いとの深読み説も流れた。同議長が、4月、就任後初の講演場所に、シカゴでの「地域集会」的な場を選んだときにも、同様の観測が語られた。

とはいえ、インタビューでの発言内容に特段のサプライズはなかった。しかし、ただでさえ神経質になっている金市場には、「利上げ時期を早める兆しか」との解釈も流れたのである。

一般的に、金市場は先読みで動く傾向がある。

株式・債券市場や外為市場に比し、市場規模が小さいので、先行指標として注目される場合も多い。

14日の金急落も、FRB内でのタカ派台頭の匂いを感じとり、先んじて新規売りを仕掛けたトレーダーの動きの可能性がある。特に、バーナンキ氏やドラギ氏の「恩師」という大物FRB副議長フィッシャー氏の意向がまだ読み切れていないことも不安定要因だ。

なお、「ポルトガル不安後退、中東地政学的要因陳腐化」による「逃避マネー退出」も無視できない材料である。


いずれにしても、量的緩和が10月には終了して、利上げ開始カウントダウンに入ったことは確かだ。その執行猶予期間が予想より短くなる観測に切迫感が出てきたことを金急落が示唆している。それでも、イエレンFRB議長が議会証言で、足元でのインフレ率上昇現象を「ノイズ=雑音」と一蹴するのか。

量的緩和に発する過剰流動性への依存症の症状を呈する世界の市場には、金市場の先読みが「フライング」に終わることを密かに願う投資家の本音が透けて見える。


なお、筆者の金価格見通しの「短期弱気、長期強気」は変わっていない。(もう語るのが飽きたほど 笑)。念のため、繰り返すと、

今年後半に利上げトークが強まり、金は売られる。(7月に入り、早くもその兆しが見え始めたことになる。)そこに中国・インドの買いが待ってましたとばかりに入る。1100ドル台まで下がる可能性があるが、超高頻度取引の時代には、個人が最安値を拾うことは至難の業。かくいう私も1250ドルになったら(ドル円は動意薄ゆえ)また買い増す、と言い続けているわけだ。

なお、プラチナ・パラジウムも連れ安となった。しかし、2014年限定で金よりプラチナが面白い、との見方も変わらない。プラチナは昨年から上値1700ドルと言い続けているけど、欧米の投資銀行の見通しも、最近になって、1700ドル程度に収斂してきた感じ。

さて、利上げ時期も、そしていよいよ夏休みも近し!

例年、福島の高原のゴルフ場でゴルフ合宿やるのだけど、今年の夏休み期間中は、薄商いで値が飛びそうな雰囲気も漂い、うっかりできない。良き後輩の亀井幸一郎も参加予定なのだが、二人とも一番気になるのが、ネット環境。高原になると不安定なのだよね。特に、重いファイルなどは開けるのに時間かかるし、昼間はネット回線が混み合う。今年は裏磐梯のボナリ高原ゴルフ場に場所を移すので、一度、下見に行かねば。。。このゴルフコースは日経の土曜版プラスワンのゴルフコース人気ランキングで東日本1位になったところ。磐梯山と安達太良山の火口に囲まれた雄大な絶景。冬はスキー場になるくらいだから、山の天気はマーケット同様、刻々と変化するし、天気予報も当たらない ^^

真夏でもセーター持参。近くの沼尻温泉とか中ノ沢温泉が、これまた抜群の泉質。連日運動して、温泉につかる生活やってると、社会復帰できなくなりそう(笑)。

以前、日経朝刊の「交遊抄」に出たとき(一回目のとき)、「地獄の特訓」という見出しで、私が主宰する体育会系ゴルフ合宿のことを書いたのだけど(プレーは速く、「お願いします!」と挨拶して、クラブ持って走る、仕事の話などしたら即ツーぺナ、プレー中のアルコールなどもってのほか、短いパット外すようでは14番の被雷小屋で写経、などなど)リーマンショック以来、なぜか温泉系のエンジョイ・ゴルフ系になった(笑)。

2014年