豊島逸夫の手帖

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株価と金

2013年3月14日

株価と金の値動きは逆相関で、株が下がると、金が買われる、といわれる。たしかに、理論上は、そうなのだが、現実は違う。
日本の株価が低迷していた時期は、理論的に金をヘッジとして買うということを理解できでも、投資家の頭は株の損失ですっかり萎縮している。とても、金など新しい投資媒体を考えるココロの余裕がない。
ところが、株が上がった今、投資家のココロはすっかりリスクオンになり、金についても考える余裕が出てきた。株の儲けの一部で金を買おうという動きである。
これは、筆者が現場で感じること。
投資家の行動は理屈だけでは割り切れない「非合理的」といわれる部分であるが、人間の心理としては、そんなものだろうと思う。

昨日は、金地金流通協会という業界団体主催のセミナーで講演してきた。
最近は、金以外の仕事のほうが増えて、貴金属業界ともすっかりご無沙汰。同窓会みたいな感じで、久し振りに会うメンツも多く、懐かしかった。
業界そのものは、あまり変わっていないね。質疑応答では殆ど質問が出なかったのに、懇親会の席上では、質問攻め。せっかくのご馳走を食べ損ねた(恨笑)。 やっぱり、業界の中だとお互いに牽制しちゃうのかな。
例の10年後は3000ドル、10000円という自説について、「信じられない」という感じの質問というか確認が多かった。10年で倍程度上がる話はそれほど大げさには思えないのだけど。15ドルが30ドルになるとか、150ドルが300ドルになるという話だと抵抗感ないようだけど、1500ドルが3000ドルということになると絶対値が大きいので、ビックリするのかな・・・。

ひさしぶりに会う連中には、「独立して事務所開いてから、初めて講演聞いたけど、生き生きして輝いているね!」と皆から言われて、ふーむ、前はそんなにドヤ顔してたのか、と改めて感じた次第(笑)。
要は、好きな仕事だけ選んで、制約なく自由に発言しているから、その楽しさが聞く方にも伝わるのだろうね~。

2013年