2013年11月19日
18日のニューヨーク株価は、一時ダウ16000ドルを突破したものの、著名投資家カール・アイカーン氏の「警戒発言」が報道されるや、大幅に値を消した。
「株式市場に対して非常に慎重だ。大きな下げがありうる。企業業績を推進しているのは、経営の力ではなく、低水準の資金調達コストだ。」
この一言で、16000ドル突破の高揚感は冷めた。
背景としては、先週末の投資誌「バロンズ」が「バブル?」(疑問符つき)の大見出しで、フェイスブックやツイッター株などのバブル現象を論じたことが挙げられる。市場内では丁々発止の「バブル議論」が展開されている最中での発言ゆえ、大物投資家の「バブル肯定」ともとれるコメントは効いた。
そこで、投資家は俄かに、米国株から欧州株、中国株、そして日本株への国際分散を模索し始めた。
NY市場に漂うバブル懸念が、米国人投資家の目を日本株へ向けさせる新たなキッカケとなっているのだ。
ここで、最大のライバルは欧州株だ。
メルケル独首相は再選され、ベルルスコーニ伊元首相は退場の様相。ドラギ総裁率いるECB(欧州中央銀行)は「なんでもやる」姿勢で頼もしい。株価のバリュエーションもまだ低水準だ。但し、経済構造問題に未だ手つかずの面は大きな不安材料として残る。
一方、日本株はといえば、先週の日経平均1000円規模の急騰に、外国人投資家も慎重になっている。ここでもバブル視する向きが散見される。
ここで、外国人投資家の日本株バブル懸念を払拭するのは、なんといっても「成長戦略」だろう。企業経営・体質・税制・雇用制度などの構造改革による業績向上こそ、真の持続性ある株価上昇をもたらす。
日本株急騰がバブルで終わるか否かは、「成長戦略」への本気度次第と感じる。
米国株バブル懸念は、日本株にとっては思わぬチャンスになる可能性を秘める。このチャンスを生かせるか。ボールは日本サイドに投げ込まれた。
さて、金価格はニューヨーク連銀総裁の「米国経済好調」発言で早期緩和縮小観測が再び強まり、1270ドル台まで売られた。
プラチナも売られ1410ドル台に。プラチナは、そろそろ買い時だね。乱高下必至なれど、3-6ヶ月待てば、いずれ、南ア供給不安要因で価格が吹く時期が来る。そこが売り時だ。