豊島逸夫の手帖

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互いに任せておけない?夫VS妻の「資産防衛術」

2013年9月27日

今日は初心者向け原稿です。
先日、週刊朝日から金についての取材があって、リスクをとりたい夫と、リスクをとりたくない妻。そこで夫には任せておけないとばかりに、運用に関心が向く妻もいるようだ、と書かれていました。
ふーむ。私のセミナーでの体験だと、リスクをとりたい妻を、リスクをとりたくない夫が引きとめる例も多いですけどね(笑)。

私のコメントとしては「セミナー参加者の過半数は女性です。若い家族連れが来て、夫が外で子供をあやし、妻が聞いている、ということも多いです。」
活字にはなりませんでしたが、セミナー会場の設備として不足しがちなのが、キッズ・ルームや授乳の場所だとも取材の時には語りました。
金については、勿論「純金積立」がお奨めなので、「少額でも積立を始めると、金に興味がわき、世界情勢も気になり始めます。金で感覚を慣らしておくと、ほかの資産運用にも役立ちます。」というコメント。
そもそも「金は持っているだけでは利息を生みませんが、株や債券が目減りするときに価値が上がる性質があります。つまり、"株で攻めて、金で守る"という買い方をすれば、資産を守ることにつながります」と語りました。

この記事のサブ・タイトルは「コツコツ型の純金積立、楽しくお得な株主優待25銘柄」となっていますが、コツコツ・タイプは女性にも男性にも多いと思います。
女性だからコツコツ型とは言い切れません。セミナー参加者の女性たちの中には、私が「金は運用の脇役です。全資産の10%程度に留めましょう。」と説いても、聞かずに財産の半分くらいを金につぎ込んでしまう、危ないタイプもいますしね。話していると分かるんですよ。はいはい、と私の話を聞いてはいるのですが、絶対、この女性は、投資リスクに快感を覚えてしまって、完全にのめりこんでるな。。。と(笑)。そういう人は、DNAなのでしょうか、何回失敗して損しても、一回成功して儲かった記憶が忘れられないので、「今度こそ」とリスク中毒みたいな症状を呈しているのです。そういう場合は、私も諦めますね。この人は、どこかの時点で、致命的な大損して、初めてリスク分散の必要性に気がつくのだろうと。

いっぽう、男性にも、コツコツ・タイプが多いですよ。
特に目立つのは、FXでやられて、株でも損して、満身創痍状態の「手負いの投資家」タイプが、やっとリスク分散の重要性を悟って、投資信託も金もコツコツ地味に徹するという例です。こういう人たちは、金にも「一攫千金」を望みません。FXや株で「一攫千金」を目論み失敗してきたからです。
ですから、純金積立を続けている人たちは二つのタイプに分かれるのですよ。
まず、性別にかかわらず、遺伝子的に「コツコツ」人生を歩んでいる人。
そして、過去の数々の投資の失敗でやっと懲りた人。

なお、誤解しないでほしいのですが、コツコツでゆこう!といっても、リスクの無い資産運用などあり得ません。
銀行だって破たんするかもしれないし、国債が安全とはいえないことはギリシャの例で明らかです。勿論、金だって「安全資産」と新聞記事では書かれていますが、安全ではありません。価格が日々変動するのですから。
だから、リスクから逃れることは出来ないのです。リスクを取らないこともリスクだといえます。結局は、リスクを分散させる以外に方法はないのです。
かくいう私だって、スイス銀行のトレーダー時代に12年間、毎日毎日、投機的な金や通貨の売買に従事して、失敗・成功を繰り返した苦い経験があればこそ、今、「私は積立一筋の個人投資家です」とセミナー講師として胸を張っていえるのですよ。

2013年