豊島逸夫の手帖

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ヘッジファンド円売り加速

2013年11月12日

12日のアジア時間帯で、円は対ドルで99円台半ばまで急落した。
震源地は主としてヘッジファンド。円買いポジションの倍返しの巻き戻しもあり、新規円売りポジションも上昇傾向だ。
日経平均の株高(=円安要因)がキッカケだが、欧米発要因も効いている。
先週7日、8日にユーロ安、ドル高トレンドを示唆するサプライズ・イベントが4件相次いだ。
欧州では、ECBの意表をついた0.25%利下げ。その背景として欧州経済の日本型デフレ入りの可能性なども論じられる市場環境だ。
そして格付け会社スタンダード&プアーズ社によるフランス国債のAAへの格下げ。
欧州財政不安の長期化を印象づけた。
米国では、7-9月期のGDPが事前予測2.0%を大きく上回り2.8%となったこと。
そして、10月分の雇用統計が、8-9月分の上方修正を含め、大きく改善傾向を見せたことが挙げられる。
欧米発の意外性のあるユーロ売り、ドル買い要因に加え、日本株高がアジア時間で円売りを刺激した様相だ。
但し、14日には超ハト派といわれるイエレン新FRB議長候補の指名承認公聴会が上院銀行委員会で開催されるので、緩和継続=ドル安要因を示唆するも予想される。一気に100円の大台を突破する状況ではない。
短期的乱高下を繰り返しつつ、徐々に円の下値が切り下がってゆくパターンと見られる。

なお本コラムは機関投資家にも読まれているので、来週11月20-12日に椿山荘で開催される2013ジャパンCFOサミットでの講演の告知を貼っておきます。↓
www.mesummits.com/cfojp

CFOの参加者が多いようです。一日目のエコノミスト・フォーラムに出ます。

それから、日経の「経済教室」面に今日から「金と世界」という志田編集論説委員が書いたシリーズものが掲載されます。
こういう超真面目なページにも金が載るようになったのですね。

2013年