2013年6月28日
27日の貴金属市場は、金が前日比27ドル安で1200ドルを割り込む水準まで下げたのに対し、プラチナは15ドル高の1310ドル台で引けた。
自動車排気ガス清浄化触媒が主たる需要であるプラチナは、「産業用素材」ゆえ「景気敏感」メタルである。国際商品市場からの量的緩和マネー流出に連れて、先物投機筋から売り込まれたが、緩和縮小のそもそもの背景である景気好転傾向を重視した買いも入る。
一方、金は「商品」と「通貨」の二面性を持ち、金融商品としても多様化して市場に浸透しているので、緩和縮小とドル高に特に強く反応して売られる一方だ。
リーマンショックや欧州債務不安などの経済危機が勃発すると、「経済有事の金」は買われたが、プラチナは景況感悪化が嫌気され、金ほどには買われず、一時はプラチナ価格が金価格より最大200ドル以上安くなるという異例のディスカウント状況となった。
しかし、米国景気の回復傾向やユーロ危機の後退が意識されると、プラチナ価格が金より高い(プレミアム)という順ザヤに戻った。
その背景としてもう一つ重要な事が、サプライ(供給)サイドにある。
金の生産国は世界に分散しているが、プラチナは生産の約8割を南アに依存する。ゆえに、プラチナ鉱山に働く黒人労働者のストライキ、南ア政情不安、そして慢性的電力不足などの影響を受け、生産量が不安定ゆえ、需給逼迫を招きやすい。更に、このような南ア関連不安要因はニューヨーク先物市場で投機筋の買いの格好の口実にされやすい。
昨年は、南アの鉱山セクターでの労働組合間の内紛が死者を出す事態にまで発展してプラチナ価格が急騰する局面も複数回見られた。
このように見てくると、2014年にかけては、プラチナのほうが金より買われやすい状況が続くと見ている。
「不況に強い金」の出番は「終わった」とまでは言わないが、減っていることは、27日付け本コラム「金急落は世界経済の吉兆」に詳述した。
逆に、プラチナの出番は増えそう。
但し、プラチナ触媒は主としてディーゼル車に使われるので、ディーゼル車の多い欧州の債務不安がくすぶる限りは、本格的な価格回復は難しい。更に、中国の自動車販売数にも左右されるので、中国経済不安も価格リスクとして残る。
従って、プラチナの本格的出番は2014年以降とみる。
その間、南ア関連の生産不安要因でプラチナ価格が急騰する局面も繰り返されるだろうが、一過性ゆえ、プロの目には「吹き値売り」の機会と映る。
メディアが「南ア・ストライキでプラチナ急騰」と囃すとき、ファンドは既に先物でプラチナを買い込んでおり、利益確定売りのタイミングを虎視眈々と狙っているものだ。
欧州不安再燃とか中国経済懸念などで売られたときに仕込んでおき、南ア生産不安で急騰したときに売り払うのが、プラチナ・トレーディングの勘所である。
さて、今朝は日経朝刊一面トップに大々的に「金からマネー流出」との記事が出てるね~プロの間で「日経が書いたら売り」と言われるけど、この場合は、「日経が書いたら買い」かな~(笑)。
週末は北海道へ。積丹半島にドライブしてウニを食べて、積丹ブルーの海とニッコウキスゲの黄色の目のさめるようなコントラストを楽しんできます。旬のウニは「香る」のだよね。うーーたまらん!
昨日は、仕事の打ち合わせを、三越そばの千疋屋でやったのだけど、マンゴパフェが絶品であった。
ミニストップのマンゴパフェも絶品だけどね~(笑)。