豊島逸夫の手帖

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岩田日銀新総裁の本音語録

2013年3月25日

バーナンキさんは学者時代に、「不景気になったらヘリコプターからドル札をばら撒けばよい」と語ったことが語録に残り、FRB議長になってから「ヘリコプターベン」というニックネームがつきました。緩和マネーがヘリコプターマネーなどと言われたりします。

そこで、学習院教授時代にかなり大胆な発言していた、岩田規久男日銀新副総裁の過去コメントを色々読んでいたら、昨年9月の東洋経済とのインタビューでこんなことを言ってのけていました。

「量的緩和は、民間の非銀行部門でおカネがジャブジャブにないと効果が薄い。日銀引き受けというと、すぐにハイパーインフレ、通貨の信認が云々されるが、不況とはある意味では通貨の信認が厚くなるという現象だ。大阪大学の先生は『貨幣愛』とか言っている。みなが縮こまる。信認がありすぎるのも問題で、ある程度それをぐらつかせる。そうなれば、もっとモノを買い、おカネを使い、またドルを買うようになる。」

金市場ではよくQEは通貨価値の堕落(debasement)と言われ、金が堕落しない価値を持つ「無国籍通貨」と言われます。「ドルは刷れるが、金は刷れない」ということですね。

それを「不況とは通貨の信認が厚くなる現象で、信認が厚くなるのも問題」として、「ある程度、その信認をぐらつかせるくらいのことをしないと、リスクマネーが萎縮したままで動かない。」というわけです。
たしかに、特に日本人は「円」という通貨への信認が厚く、外貨投資を怖がりますよね。それをアベノミクスの第一の矢である大胆な量的緩和という金融政策が、冷凍状態の投資マネーを解凍させる効果を持ったことは間違いありません。

それにしても、「通貨の番人」たる日銀副総裁になった今では、口が裂けても言えないことでしょうね。
でも彼の本音はよく分かりました。
さっそく、今晩夜7時のBSジャパン生出演「7PM」(日経の報道番組)でネタとして使わせてもらいましょうか(笑)。「アベノミクスで日本経済は復活するか」という大きなテーマですが、日経ヴェリタス編集長相手に1時間番組で色々語れるので、個人的には面白そうです。台本は大筋しか決まっていないので、殆ど、ぶっつけ本番みたいなものです。この自由度がいい。

なお、金市場動向については、その直前の午後5時からの日経CNBCデリバティブ番組で語ります。特にキプロス情勢と金などについて。
終了後、大手町の日経本社ビル内のCNBCスタジオから神谷町のテレビ東京スタジオまで滑り込みの感じ。
重なるときは重なるもので、今夜のTBSテレビ深夜番組(11時50分から)で「タカトシの上がり目,急変化グラフのなぜ徹底検証13連発」という1時間番組でもビデオ取材されたので、ちょっぴりだと思うけど、コメント入る予定。こっちは編集されるから、どうなるか分からない。お笑いタレントがゴールドショップ初体験みたいなノリみたいだけど。

週末は春スキーでした。もう暖かくて雪が重い。ちょっと油断すると足をとられるから、爽快だけど冬の倍疲れるね~。でも、汗ビッショリが気持ちよかった。
東京に戻って花見。スキー&花見のベスト・コラボでした。

2013年