2013年10月10日
初の女性FRB議長誕生で、「大統領とFRB議長が女性の時代」到来の可能性が俄かに現実味を帯びてきた。
ヒラリー・クリントン氏が、現時点で、2016年米大統領選挙の最有力候補と目されているからだ。
本人も、その可能性について、最近のニューヨーク誌で語っている。
「今は、久し振りに、毎日、家族と楽しいひと時を過ごすことで頭がいっぱい。その件(大統領選立候補)について、私は急いでいない。重い意思決定なので、軽々しくきめるべきではない。直ぐに決めるべきことでもない。」
そう語りつつも、「多くの米国人は極端な政治思想には組しない。共通の基盤を模索する努力が必要。それが未来を代表するより高い基盤であっても。」と政治への思いも披歴する。
女性の地位確保(empowerment)についても、「今世紀未完成の最大の案件」と強調している。「女性が政界に入ると、社会に余波が及ぶ。女性は世界で最も使われていない資源だ。」
「国務長官として、ユニークで、第一線ともいえる最前席に陣取った。その4年間は、挑戦と世界の機会に対する私の理解を深めた」、との自信ものぞかせる。
「大統領選立候補について考え葛藤があるか」とのストレートな質問に対しては、こう答えている。
「YES.でも、私はプラグマティストでリアリスト。今の指導者たちが対峙する政治・政府の難事を良く理解しているつもりだ。私は、国のために正しいと思う価値基準と政策については、いかなる立場に置かれても、自分が出来ることはなんでもやるつもりだ。
ご質問の決断に関しては、私の意志決定に影響を与える要因を吟味し続ける。」
彼女の周囲は熱い。
「彼女は大領領選に立つわよ。でも、それを、彼女自身が知らないだけよ。歴史の力なの。もはや変えられない流れよ。重力のごとく、引き寄せられるわ。」
「彼女の心の中では、立候補モードに動いているけど、まだ割り切ってはいないわ。でも、立候補は必然の結末よ。」
実は、シリア外交的解決の道を選択の発表前に、クリントン氏はホワイトハウスにオバマ大統領と居た。その決断に至る過程では、各段階で彼女がアドバイスしていた。「ロシアとの交渉が難しいことは熟知している。でも、できること。押して前進あるのみ。オバマ大統領とは、議論するが、良い雰囲気だ。意見が分かれることも、勿論あるが、私は自らの意見と見解を持つ。」と毅然と語る。
昨年、シカゴの大きな集会で、クリントン夫妻が登壇した。夫のビルは老化進行が明らか。原稿を持つ手はこきざみに震えていた。対照的に、次に出たヒラリーは、若く見え、笑顔を絶やさず、背筋も伸びて、満場のスタンディング・オベーションを受けた。
勿論、クリントン氏への反感も根強い。
今回のイエレン氏指名にあたっては、「大統領もFRB議長も女性では、いかがなものか」との慎重論もあったと聞く。
しかし、オバマ大統領の国内・国外での指導力低下の中で、強い求心力・カリスマ性を潜在的に持つクリントン氏に対する有力な対抗馬も現状では現れていない。
日本にとっては、米国駐日大使も女性という状況が絵空事とはいえない展開である。
さて、金価格は昨晩一時1300ドルを割り込んだが、再び大台は回復した。いずれにせよ、想定内の下落。
プラチナとの値差が80ドル程度に縮小してきたことに注目。
プラチナに割安感がある。
昨日は、再びポール・ウォーカーと、日経マネ―掲載用の対談を日比谷公園のレストランでやった。そこで、プラチナについては、生産コストより投機マネーの影響が大きいから、下げると1000ドルくらいまで下げるよ、との発言。たしかに、リーマンショック後に800ドル台まで暴落した歴史があるからね。
私は下げても1200ドルと思う。投機マネーの売買回転が速いから、売りから買いへの転換のタイミングも年々早まっている。
10年タームの長期的には、現価格水準でも、安値圏といえるね。
今週は日月火水とポールに振り回されました。もう、これで私はお役御免(笑)。
この対談は11月売りの日経マネーの金別冊に掲載されます。中身濃いよ。
それにしても、この蒸し暑さはなんだ~~
いいかげんにしてくれ~~労働効率が落ちる。(要は勤労意欲が減退して涼しい虎屋で油売ってる、という事だけどね 笑)。