豊島逸夫の手帖

Page1413 日本株への本気度を示すソニー事業分離提案

2013年5月15日

ヘッジファンドが日本株投資を戦術的(tactical)から戦略的(strategic)に格上げした証拠である。米投資ファンドのサード・ポイントによるソニーの映画・音楽事業分離提案は、これまでの短期売買とは明らかに一線を画す日本株への姿勢だ。
同ファンドは昨年、米ヤフー前CEOの経歴詐称を指摘。「機能障害に陥った取締役会は修復する必要がある」と批判して、現女性CEOマリッサ・メイヤー氏誕生のキッカケを作った。典型的な「物言う株主」である。
単に投機的売り攻勢をかけて短期売買の値幅を狙うヘッジファンドとは異なる。
リアルマネーの本格的日本株投資の兆しとも読める。
同時に、日本株の高値維持のため不可欠な成長戦略の「本気度」を試す動きでもある。
日本を代表する企業のソニーに照準を当て、この提案に対する反応をうかがっている。

日本株上昇トレンドもいまや第二段階に入りつつある。
そこでは、単なる円安の進行度合いより、円安傾向の安定度が重要視される。
そして、外人投資家も足の長い年金基金などの日本株アロケーション増が視野に入る時期だ。
「日本株を買う意志はある。但し、成長戦略の実現という条件つきだ」
これが、サード・ポイントが発するメッセージであろう。

なお、プラチナ価格が、南ア要因で上昇。金はドル高で下落。
南ア要因は、プラチナ鉱山ストライキの可能性、労働組合間の派閥争い、そして慢性的電力不足などである。最大のプラチナ鉱山会社アムプラッツがリストラ案で労働組合ともめていたが、会社側から閉鎖鉱山を一つ減らし、解雇人員を削減する修正案が出された。
しかし、組合側は強硬姿勢である。何時も書いていることだが、南アの供給不安という材料は陳腐化しやすいので注意。サプライ・ショックで価格が吹いたら売り場である。

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