豊島逸夫の手帖

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ロムニー氏は反中

2012年10月11日

昨日(10/11)書いた原稿を送信しそこなったので(苦笑)、今日は二日分。
まずは昨日の原稿から。

第一回 米国大統領選挙候補者討論会でロムニー候補が圧倒的な優勢と評価されたことに、中国は警戒感を強めている。
ロムニー氏は筋金入りの「反中派」だからだ。
同候補陣営のウエブサイトにも、以下のように明記されている。
「中国の軍備増強加速に対して、米国と連合国は、中国の隣国に対する脅威的行為を抑止するために、十分な軍備を維持せねばならない。台湾とも協調して同国の軍備必要性を決定し、必要な軍事用装備を供給すべきだ。」
ここで使われている英語の表現も「考慮すべし」ではなく、「供給すべし」と断定的である。しかも、引き合いに出した国が「台湾」なので、中国側メディアも以下の如く強く反発している。
「どうみても、ロムニー候補の主張は、冷戦時代の時代遅れの発想だ。中国脅威論を支持し、アジア・太平洋地域における中国の強まる存在感を封じ込めようという強い意図がある。」(チャイナ・デイリー紙)
「ロムニー候補は米国大統領選挙の"癌"」(新華社通信)
「冷戦時代の」という表現は、ロムニー陣営が、ロシアをソ連と呼ぶこともあるからであろう。

また、経済面で、ロムニー候補は中国を「為替操作国」と断じている。
尖閣問題に関しては、これまでのところ、同候補は何も言及していないが、論戦の中で問われた場合の反応を筆者は注目している。
今年の米国大統領選挙は、日本にとっても特別な関心を抱かざるを得ない状況である。

なお、金価格は1800ドル前の調整モード入り。
スペイン国債格下げの材料は、スペイン・ラホイ首相をして救済要請に踏み切らせるキッカケになれば、リスクオンのキッカケにもなりうるので注目。国債格下げでリスクオンというのが、なんとも皮肉ではある。

2012年