豊島逸夫の手帖

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2012年も後半戦突入

2012年7月4日

早いもので2012年も前半戦終了。
期末のポジション調整売りがもう少し出るかと思ったが、結局1540ドル台で下げ止まり。
EU首脳会議でのドイツの妥協が市場に安堵感を与え、リスク回避の売りが買い戻された。
そして7月に入るや、市場の視点が米国経済へシフト。
今週月曜日は、米ISM製造業景況感指数(6月)が前月53.5から49.7へ急落するサプライズ。特に新規受注の減少幅が大きかったことが気になる。そこで市場には、またもやお馴染みの追加的金融緩和QE3期待論が復活。
ところが、昨日火曜日には、米国製造業受注額が事前予想0.1%増を大幅に上回る0.7%増で出た。こうなるとQE3期待論も萎えるかと思いきや、「リスク資産」として金が買われる展開に。
米国経済データが悪ければ金融緩和期待、良ければリスク・オン。どっちに転んでも買い。どうも後講釈相場で都合良すぎる解釈だね。
欧州リスク暫時後退で1600ドル台を回復した後、フォローの買いが続くか筆者は懐疑的であったが、期が変わり、市場も気が変わったようだ。でも、市場が移り気であることだけは変わりない。
今日7月4日は、米国独立記念日で市場の取引は薄い。筆者も遊ぶぜ(笑)。
明日5日には、欧州中央銀行(ECB)理事会があり、利下げを見込む人たちも多い。同日、イングランド銀行も追加的量的緩和に踏み切るのではないかとの観測も。それを見込んだ金の買いとも言える。
金利を産まない金には、利下げという言葉が心地よく響くもの。
そして、今週のトリは米国雇用統計。

と、まぁ、ここまで、短期的動きについて書いてきたが、いつも言っているように、大事なことは中長期の流れ。リスク・オン、リスク・オフはコロコロ変わるが、世界的金融緩和傾向に変わりはない。金にはフォローの風が吹き続ける。

さて、ママさん向けセミナー開催のお知らせ。
筆者が独立した理由が、色々新たな試みをしてみたかったから。そこで、最近氷河期世代の夫婦連れのセミナー参加が増えてきたので、今回はママさん向けセミナーで話すことになった。グローバル・ママ・ネットワークと日経のコラボ企画。筆者の知る限り、ママさん限定セミナーというのは初めてである。↓

http://global-moms.iwcj.org/parenting/20120715.html


先日は、大学院生相手に話した。来週は、財務省職員向け研修会なんていうのもある。初心者からプロから当局まで幅が広がって面白い。

2012年