豊島逸夫の手帖

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日米印、中国包囲網の環境整備

2012年10月10日

バーナンキFRB議長とガイトナー米財務長官がインド訪問中だ。
米国とインドの経済関係強化が目的であるが、その背景には、中国を「共通の脅威」と認識し、戦略的対話を進めようとの意志が透けて見える。6月6日にも、パネッタ国防長官もインドを訪問し、「2020年までにはインドをアジア・太平洋地域の防衛"リバランス"の"要"に」と語っている。軍事援助によるインド軍の米国製武器装備の意図は明確である。両国は、特にインド洋への中国海軍進出に神経を尖らせる。
パネッタ氏自ら「長期的には武器の売り手買い手の関係を更に深化させ共同生産・研究のレベルを視野に置く」と明言。共同軍事訓練も2001年以来50回を超えた。
特に筆者が注目するのは、ジャングルでの対侵入者に対する軍事訓練施設の利用を米軍に許可し、中印領土紛争の中心地域カシミールの山岳地帯における米軍特殊部隊の演習をも認めたことである。
このように緊密化する米国とインドの戦略的提携関係は日本外交にとってもまたとないチャンスだ。
本欄10月4日に「尖閣解決のカギは日印同盟」と書いたが、日本、米国、インドによる中国包囲網は、中国に対する効果的な抑止力となろう。

さて、昨日は来日中の貴金属調査会社GFMS社グローバルヘッド、フィリップ・クラックヴァイク氏とパネルディスカッションで対談。
彼の金価格予測レンジは1650-1870ドル、プラチナが1530-1750ドル。筆者の見方とほぼ一致した感じであった。そして、2013年に最高値2000ドルを突破したあと、2014年には下落とのシナリオ。ここは、筆者は、2013年に2000ドル突破までは同意だが、2014年も高値圏維持。下げがあるとすれば、2015年という想定。欧米経済回復の時期が早まるか、遅れるか、の見方の違いである。
それ以外にもさまざまな需給要因についても語った。次のセミナーでじっくり説明してみたい。彼との対話はいつも良い刺激になる。今晩は、彼と気楽に鮨ディナー。バルセロナ在住体験もあるのでスペイン情勢などが話題になりそう。
それにしてもIMF世銀総会の煽りで、予約取るのが大変。

お知らせ。
12月2日開催のゴールド・フェスティバル。
第二部で日経CNBCキャスター江連裕子さんと実体験に基づく世界の金巡り。第五部で亀井幸一郎と池水雄一と大橋ひろこキャスターと、がちんこぶっちゃけ対談に出ます。11日まで女性限定先行受付だそうな。↓
http://goldfes.jp/

2012年