豊島逸夫の手帖

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世界的利下げトレンドで金は?

2012年7月13日

韓国が3年半ぶりに政策金利を0.25%引き下げ、年3%へ。
ブラジルも、昨年から8回連続利下げで、政策金利を0.5%引き下げ、年8%へ。
いずれも世界経済成長の下振れリスクへの対応措置。
いよいよ世界的利下げ傾向が加速する中で、金は上がるかと思えば下げ。1550-1600ドルのレンジを行ったり来たりが続いている。
足元では、ドル高要因の売りが勝る。欧州不安でユーロが売られる結果、反対取引としてドルが買われる展開だ。欧州債務危機で「安全性を求めるマネーが金へ流入」もあるのだが、「ドル高で金が売られる」面のほうが強く出ている。
しかし、本欄で既に書いてきたように、中期的な流れとしては、ECB(欧州中央銀行)、中国人民銀行、そしてブラジル・韓国と利下げが相次ぐ中で、いずれ米国も追加的金融緩和は不可避の情勢に変わりはない。
世界的金融緩和=利下げ出来る国は金利を下げ、ゼロ金利の国は量的緩和に走らざるを得ない状況では、マネーのコスト(=金利)も安くなり、マネーの量も増えるので、過剰流動性がキャリートレードなどで新たな運用先を求め徘徊を始める。
特に金利を産まない金には、利下げは基本的に追い風。短期的乱高下はあるが、ジワリと効くは必至だ。
なお、昨日はメリルリンチが金価格2000ドル説を発表したとメディアに流れた。QE3が9月に決定されれば、今年末には2000ドル。QE3決定が大統領選挙(11月)後にずれこめば、来年中には2000ドルタッチとしている。

なお、今度の日曜日7月15日のフジテレビ 新報道2001(朝7:30からの報道番組)の初めのほうに、ちょっとビデオ出演する予定。金関連の話題。

2012年