豊島逸夫の手帖

Page1287 バーナンキの去就

2012年10月25日

バーナンキFRB議長の任期は2014年1月まで。
もし、米国大統領選挙でロムニー共和党が勝てば、「FRBの量的緩和はインフレを生む」との考えで、バーナンキに対する批判が強まることになろう。仮にロムニー大統領になったところで、バーナンキFRB議長をクビにすることは出来ない。しかし、ホワイトハウスとバーナンキの間の軋みが舌戦となり、メディアを賑わすかもしれない。それだけでも「QE後退」の可能性にマーケットは震撼するだろう。市場のQE依存症症候群は、かなり進行している。
以上の結果としては、ロムニー勝利の場合、マーケットのQEプレミアムが剥落し、株も商品も売りとなりそうだ。
しかし、ロムニーが財政の崖という大きな問題に、有効な政策対応案を持っているとも思えず。いずれ、米国債格下げなどの問題に発展しよう。
従って、米国関連要因から見れば、仮にロムニー勝利の場合は金売りとなるが、中長期的には財政の崖から派生するドル安の結果、金は再び買われることになろう。

さて、24日はFOMC声明が発表されたが、新鮮味はなし。
市場の注目は、米大統領選挙後の12月のFOMCだ。そこで、QE継続について、FOMC内部で反対論が強まるか否か。
バーナンキは米国経済が改善傾向を見せても、いきなりQEを止めれば、症状はぶり返すから、しばらくは経過観察しつつQEをいきなり止めることはしない、と述べている。
この政策スタンスを「中央銀行の独立性」の観点から、バーナンキがどこまで政治的圧力に屈せず守れるか。注目されるところだ。

そして金価格はいよいよ1700ドルの攻防。
24日には1700ドル割れの局面もあった。売り圧力は強く、モメンタム(市場の勢い)は下げ方向に向いているが、中期的には底値圏と見る。

なお、今日の日経朝刊商品面に筆者のプラチナ相場観が出ている。

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