2012年10月30日
米国時間28日 日曜夜。ニューヨーク証券取引所、突然の発表。
メガ・ハリケーン直撃に備え、月曜は休場。当初は、電子取引はオープンとのことであったが、その後、全取引停止に変更。更に火曜日まで休場とされた。
先週金曜日26日の時点では、48時間取引停止など殆ど「想定外」の可能性であったから、多くの機関・個人投資家が虚を突かれたのではなかろうか。この48時間に世界のどこかで市場を揺るがすほどのイベントが起こらないことを祈るばかりであろう。
もし、東証で同様の事態となれば、ネット投資家などはポジションをかかえたまま、まんじりともせず夜を明かすことになったかもしれない。48時間売買停止のインパクトは、1時間のシステムダウンの比ではない。
なお、電子取引だけオープン、というケースは最悪のリスクを孕む。アルゴリズム売買などに支障が出た場合の人的対応体制が薄いと、糸が切れた凧のようになるからだ。
米国の大型ハリケーンは、原油市場におけるテール・リスクとして定着していたが、今回はウオール街を直撃することで、株式市場に対しても思わぬテール・リスクを孕むことを投資家に痛感させた。
ただ、ニューヨーク市場における投資家の窮状を伝える事例が少ないように思われる。機関投資家はヘッジ策を講じていたかもしれない。
とはいえ、今回の一件は、はからずも、個人投資家のリスク回避傾向が顕著で、そもそもリスクをとっていなかったことを露わにしたようだ。
なお、今週11月2日発表予定の米国雇用統計が延期の可能性もちらつくことも気がかり。雇用が重要テーマゆえ、11月6日の大統領選挙のまさに直前に発表という事態になると、浮動票に少なからず影響を与えそうだ。