2012年9月4日
ニューヨークタイムズは、コンサルティング会社の調査結果として、顧客企業の80%がギリシャのユーロ離脱を見込んでいると報じている。バンカメは、万が一離脱を想定して、ギリシャ国内の顧客企業が従業員への給料支払い継続のため必要な現金をトラックに載せて運び入れているそうだ。離脱があるとすれば、金曜日夜との想定が多い。そうなれば週末に現金を社員に持たせ、ギリシャに入国できるか、などの問い合わせがコンサル会社に寄せられているという。でも、資本移動規制がかかるだろうね。バンク・ホリデーと呼ばれる銀行休日期間に入り、その間は金融・株式市場は閉鎖となろう。その期間があけると、ユーロと一定比率に設定された新ドラクマしか預金口座から降ろせなくなる。
一方フィナンシャルタイムズは、調査結果として、ドイツ国民でギリシャがユーロ圏にとどまるべきと答えた回答者の割合が僅か27%と報じている。
この調査は、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、イギリスの各国1000人ずつを対象に実施されたそうだ。
そこで、国別の反応の差が興味深い。
ギリシャが救済資金返済すると答えた人の比率が、ドイツで26%、イタリアで77%、スペインは57%となっている。
ギリシャが経済構造改革により救済無しでやってゆけるようになると考える人が、イタリアで88%、スペインで70%、ドイツでは50%以下とのこと。
興味深いのはフランス人の反応。
ギリシャはユーロ離脱すべきと答えた人が32%だが、ユーロ離脱すべきではないとの答えも27%。要は民意が割れているのだ。
もっとも悲観的なのがイギリス人。政治家のリーダーシップで欧州債務危機を克服できるか、との問いに「全く考えられない」と答えた人が44%にのぼる。これが、イタリアやスペインになると「まあ考えられる」との答えがそれぞれ83%、63%となっている。
緊縮政策に関しては、経済にマイナス効果ありと答えた人が、イギリスでは29%に対し、ドイツ、フランス、イタリア、スペインでは過半数を超えるという。超緊縮政策をサバイバルしてきたイギリス人のプライドであろうか。(サバイバルできてないかな・・・。)
読者の皆さんはどう考えるかな。日本人の調査結果も見てみたい気がする。が、多くの日本人にとって欧州は遠い存在。対岸の火事かも。
さて、このような市場センチメントの中で、マーケットはECB理事会での国債買い取り決定の有無を待ちの姿勢だ。