豊島逸夫の手帖

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ドイツには金利払ってもカネ貸したい投資家心理

2012年1月10日

昨晩、ドイツ国債6か月ものの入札(39億ユーロ)で、-0.0122%という初のマイナス利回りとなった。国債の買い手が金利も支払うという異常な現象だ。

世界中の投資家がどこか安全なパーキング・スペースを求めて徘徊している。まずは、米国債パーキング場が膨大なスペースを持つので、とりあえず安心感がある。安全性への逃避というより、流動性への逃避である。安心感への逃避と言ってもいい。特にNY市場では米国経済のディカプリング(非連動)説が有力視。ディカプリングといえば中国経済が先進国経済と非連動という意味で使われてきたが、ここにきて米国経済と欧州経済の「非連動」が語られる。たしかに先週末発表の雇用統計始め、米国マクロ経済データは足元では好転傾向が顕著だ。
そして次の欧州のマネー・パーキング場としては、なんといってもドイツ国債。しかし、その独国債でも最近は「札割れ」という売れ残り現象も起きたりした。とはいえ、他の国の国債よりはやはり安心なようだ。
通貨の世界では、円とドルが安全通貨として買われている。どちらの国の経済もかなりヤバイのだが、それでも、他国よりマシなのだから情けない。「通貨の安全度」は円もドルも同じようなものなので、このところ、ドル円相場は膠着状態が続いている。

そして金は?
いまや「安全資産」から「リスク資産」へ移籍した感がある。
筆者は、どうもこの傾向が気になり、昨年11月から目先弱気に転じたが、それ以来、既に3か月。当初の想定より調整が長引いている。まぁ、これまでの急騰がハンパではなかったゆえ、調整も長引いて当然ではあるが。
市場の見方も11月には圧倒的強気派多勢。それが今や強気弱気半々。半々のうちは未だ下がる。弱気派が多勢となれば、筆者は強気になれる。
一貫して変わらないのは長期の見方。ここはガンガンの強気だ。
ドルもユーロも円も不安。
「通貨大空位時代に浮上する無国籍通貨=金」である。↓

http://lounge.monex.co.jp/pro/special2/2012/01/06.html

さて、三連休の出来事。というか告白。
上越新幹線を2分ほど遅らせてしまいました。スイマセン。
越後湯沢からの帰りの車中で文字通り爆睡。
夢うつつに誰か話かけていると思ったら、東京駅着で乗客全員下車の車内で、車掌さんが迷惑そうな顔で、筆者を揺り起こしていたのだ。
慌てて、身の回りに置いてある携帯だとか、飲みかけのお茶ペットボトルだとか、フィナンシャル・タイムズだとか、もろもろ回収して、あたふたと下車。手間取って時間がかかってしまった。反省。
これで、年末、正月、3連休と続いたスキー・モードも小休止。今日から、ほんとに、社会復帰だな。今月は、中国出張、欧州出張と続く。12月は講演モードであったが、1月は出張モードだ。
カラダ中の筋肉がパンパンだが、心地よい疲労感。
金相場は頭打ちだが、積雪量はうなぎ登り。これもディカプリング。(笑)。

2012年