豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. いよいよ秋相場入り
Page1253

いよいよ秋相場入り

2012年8月31日

そろそろ8月も終わり、米国ではLabor Day Weekend(労働者の日、今年は9月3日)の三連休が終わると、いよいよマーケットも夏休みモードを脱却して、本格的に動き出す。
そろそろ真面目に日々の値動きを追うよ。
今年は、今日の米国ワイオミング州ジャクソンホールというスキーリゾート(少なくてもスキーヤーの筆者にはその連想が働く人口8000人程度で標高2000メートルの町)で開催される世界の中央銀行家たちの「年次勉強会」から、本格相場入りとなった。
二年前のジャクソンホールで、バーナンキがQE2(追加的量的緩和第二弾)の意向を表明したので、それ以来、マーケットの注目する会議となった。
今年は、金価格が久しぶりに200日移動平均線を上回り、レンジが上放れる兆候が出た矢先の開催というタイミング。
QE3への言及ありや、なしや、でマーケットは大騒ぎ。
筆者は、無い、と見る。
9月7日に米国雇用統計を控えているので、ここで、「QE3」宣言などやったとして、翌週の雇用統計が大幅改善などと出たら、それこそカッコつかないじゃない。足元の米国景気指標はとにかく良いデータが続いているのだし。
ECBドラギ総裁が、「多忙」を理由に欠席というのも、なにか拍子抜け。
たしか、7月末の日経関連メディアの取材で8月のレンジを1550-1680と出した記憶があるけど、まぁ、当面は、1670ドル台までつけたことだし(昨日は反落)、いいとこじゃないかな。
年末までの上値は1800ドルと言っている。
「専門家」予測では低いほう。
中国経済減速と欧州債務危機のリスクオフ売りを想定しての、控えめの予想だ。
プラチナは、南ア鉱山暴力沙汰に、ユーロ高ドル安も加わり、1500ドルを超えたが、需要サイドの欧州経済マイナス成長という事実が重くのしかかる。金より基盤は依然軟調。
欧州債務問題関連では、メルケル首相が中国訪問中ということに注目。果たして、中国は「白馬の騎士」となれるのか。ふーむ、白馬というほどキレイなココロには見えないが(笑)。でも、欧州がこければ、中国もこける。輸出入で、ギブ&テイクの間柄だ。仲良くせねばね。人権問題にも当面は目をつぶって。

なお、9月3日日経朝刊の金融面に、写真入りインタビュー記事出る予定。

2012年