豊島逸夫の手帖

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2012年投資商品人気No.1は"金"

2012年1月13日

米国CNBCの報道によれば、野村証券が欧米投資家164名対象に行なった2012年投資動向調査で、「投資したい商品」の第一位に、19.5%の"金"が入った。
次いで、"先進国株式"が、13%。"新興国株式"が、10%と続く。
外為関連では、通貨別のランキングで、ロング(買い持ち)したい通貨の一位が、40%で"米ドル"。次いで、14%の"人民元"。そして"円"が、10%である。その他では、"ノルウェー・クローネ"、"スウェーデン・クローナ"、"カナダ・ドル"などが続く。
回答者の60%が、2012年に一カ国または複数国が、ユーロを離脱するであろうと見る。3月が山とする回答者が多い。
QE3に関しては、3分の2の回答者が、追加的金融緩和第三弾を見込むが、時期的には、4-6月期か、7-9月期であろうとしている。

本欄でも1月6日に、日経電子版調査で"読者が選ぶ金融商品第二位に金"という話題を扱ったが、海外での金人気は、それ以上のようだ。やはりドル、ユーロのヤバサを身近で感じているので、切迫感が違うのだろうね。

さて、金は1650ドル近辺まで戻してきたが、ここからの頭が重そう。筆者の想定ほど下がっていないが、やはり、ドル高傾向が重しとなる気がする。(あくまで短期の相場動向についての話だが)。
長期は、依然ガンガンの強気。長期相場感は変わるはずもないが、日々の相場動向ばかり本欄で書いていると、読者の中には、長期も弱気と誤解している人達もおられるようなので、念の為(笑)。

なお、昨日のマクロ・マーケット関連では、中国の物価上昇率が、4.1%にまで低下してきたことに着目。これで、インフレより経済成長重視の金融政策バイアスが強まることになる。
そしてECB理事会では、筆者の予想に反し、ドラギ新総裁は、0.25%の利下げせず。金利据え置き。
まぁ、ECBとしては、50兆円規模の資金供給大盤振る舞いというエース・カードを切ったので、次のカードは温存。まずは、エース・カードの効果を見極めようというわけだね。それはそれで納得できる。でも、ドイツまでがマイナス成長では、欧州版QEも時間の問題だろうね。その時こそ、本当に金が上がる。
それから、ギリシャの債務圧縮交渉がいよいよ最終段階。50%借金棒引きという線で総論合意したものの、各論となると、未だもたついている。スペイン・イタリアに、マーケットの焦点が移った感があるが、ギリシャも3月20日の大量国債償還を控え、未だ材料として後退したわけではない。

2012年