2012年9月3日
先週金曜日ジャクソンホールでの中央銀行会合におけるバーナンキ演説に特にサプライズはなかった。市場が淡い期待を抱いていたQE3への言及はやはり無し。そこで失望感から株・商品が売られるかと思えば、逆に買われた。金は1690ドル台まで急騰。
今回はQE3への言及なくても、「必要ならやる」という従来からのスタンスが確認されたと市場は解釈した。(あるいは、そう解釈して買いの口実としたかった。)
QE3までゆかずとも、現在の超金融緩和を2014年末まで継続といってきたところを、2015年まで延長する程度でも金融緩和のひとつのカタチとして見做され、買いの材料とされる。
更に、欧州では、独連銀総裁が「ECBによるスペイン・イタリア国債買い取り」にあくまで反対の姿勢を貫き、抗議の辞任に及んだことも、「これでドラギECB総裁も国債買い取りに踏み切れる」と解釈され、買いの材料となった。これも金融緩和のひとつのカタチだから金には買い要因となる。なお、ドイツは、国債買い取りがユーロという通貨供給の金融節度を欠く結果になることを懸念しているのだ。この「ユーロばら撒き反対派」の親分が辞任することは、通貨供給のバルブが緩む結果となるからだ。
そして、週末には中国の景気指標であるPMI(製造業購買担当者指数)が50を割り込む数字が発表された。中国減速はジワリ相場の上昇抑止要因として効きそう。
総じて、9月秋相場は米中欧の景況を映しつつ、金融緩和期待から買われている。