2012年12月25日
欧米市場発の2013年市場展望を聞く時期になったが、アベノミクスを"one of the biggest factors(最大要因の一つ)"に挙げる大手金融機関レポートに複数回遭遇した。筆者の当初の想像以上に大きな扱いで論じられている。地盤沈下中の東京市場だが、思わぬ展開で「浮上」しつつあることは皮肉としかいいようがない。
海外からのクリスマスカードに書かれた「一言メッセージ」にも "Best wishes for Abe-san (安倍さんによろしく)"などと、「期待感」が滲む。今年のクリスマスの讃美歌は「アベマリア」が人気のようだ。
総じて、マーケットの現場は当面「過剰流動性相場」をはやす。しかし、中期的には中央銀行のバランスシート膨張を懸念する論調が殆どだ。
株は楽観論で育ち、債券は悲観論で育つゆえ、アベノミクスも株式市場では期待先行、債券市場ではJGB(日本国債)の格下げなどがリスク・シナリオとして意識される。
「ゆでガエル現象」とでも言おうか。
物価上昇率2%程度の「熱すぎず、冷たすぎず」の適温経済(ゴールディロックス)であれば、丁度良い湯加減なのだが、物価上昇率や長期金利が2%以上に跳ね上がると、途端に市場は「熱湯」状態となる。
金市場でも日本が注目されるのは「ペイオフ」以来のことだ。「日米欧、量的緩和競争」が通貨価値の希薄化を招き、代替通貨としての金が買われるというシナリオである。
「日経ゴールドコンファレンス」という金関連国際会議(今は休止状態)で議長役を務めていた時のエピソード。某日銀高官が、懇親会スピーチで、「日銀にとって金価格は通信簿のようなもの」と語った。「金融節度が守られている限り、国民は金融政策に不信感を抱くこともなく、自国通貨を売って金を買うような投資行動はしないはず。よって、金価格低迷こそ日銀の通信簿は良い証しである。」という趣旨であった。
残念ながら、近年の「通信簿」評価は芳しくない。そして来年こそ、まさに、日銀の独立性と金融節度が問われる年だ。金価格も投資対象としてより、日銀の健全性のベンチマークとしてフォローされるかもしれない。バーナンキFRB議長主導の米国QEに比し、露骨ともいえる政治主導の日本型QEに、金融節度の脆さが透けて見える。
さて、クリスマスは気のおけない友人夫婦たちと、たまり場である隠れ家イタリアン「マガーリ」(池上線、洗足池駅近く)で盛り上がりました。このマガーリって店は、もともと赤坂にあったが、住宅街に引っ越した。美人マダム(貴金属業界出身)と彼女のママ、そして、シェフの高さん(本名忘れた(笑)。)の抜群の料理センスのコラボで家庭的な店。おすすめだよ。↓
http://trattoria-magari.com/
帰宅したら、近所のおばさまの手作り豪華ショートケーキが届いていて、これは別腹とばかりに、いただきました!年々、家庭パティシエの腕をあげておられる。
そして、冬季スキーシーズン中、越後湯沢3ヶ月移住生活に向けて着々準備中。積雪は既に2メートル近く。肝心のブルームバーグ回線の確認などが重要チェック事項なり。