豊島逸夫の手帖

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チェコで純金入りビール発売

2012年7月11日

仕事の後に生ビールがたまらない暑さになってきたところで、チェコの醸造所が純金入りビールを発売した。
1瓶に0.018グラムの純金箔が入っている。今の金価格だと、77円ほどの価値がある。だから、このビールはシャンペン・ボトル入り醸造にも18か月かかる特別製。受注生産限定で、500本がまず製造されたそうな。ブランド名は、「RE」。これは、エジプトの太陽の神の名前だとか。画像はこちら↓
http://www.huffingtonpost.com/2012/07/05/beer-gold_n_1651957.html?utm_hp_ref=food


この手の純金入り飲食料品は色々あるが、どれも、使用純金の価値に比し、法外とも言える価格がついている。それでも、消費者が買い求めるのは、金価格についての知識が無いからであろう。

このことは、先日、All About という専門知識サイトの金プラチナ・ページを担当することになった筆者が、まず「金箔入りラーメンから考えてみた金の本当の価値、600円のラーメンが金箔入りで1600円!?ほんとにそんなにする?」と書いた内容でもある。
金が食されるということは、胃酸攻撃に遭っても全く腐食せず変質しないという金の凄い不腐食性による。食べても、人体への害は全く無い。しかし、益も全くない。要は無害無益なのだ。胃腸を通過した後は、ただ排泄されるだけ。それでも、人々が金箔入りと有難がるのだから、人の心を高揚させる効果はあるのだろう。慶事に供するものとしては適しているのかもしれない。そういえば、結婚式のメニューにもよく見られる。
なお、この不腐食性を利用して、バイオの世界で金が使われている例もある。患者の体内の患部にピンポイントで抗生物質などを血管を通じ注入する際に、微量の金が薬を運ぶキャリアーとして使われるのだ。
医療面では、金が、インフルエンザや妊娠の検査キットにも使われている。患者の尿をコロイド状の金にドリップさせると、変色するリトマス試験紙みたいな反応をするからだ。
金のバイオ関連の用途はこれからも広がりそうだ。

2012年