2012年10月24日
昨晩も、金は1710ドル台を割り込むまで売られ、1700ドルの大台をかろうじて維持している状況。
昨日の欧米市場では、NY株が業績悪化を嫌気して、ダウは200ドル以上の急落。ここから"景況感悪化→産業用素材売り"となり、貴金属セクターでもプラチナや銀に、より強い売り圧力がかかった。プラチナは1600ドル割れて、1560ドル台。金は、その連れ安の面もあるが、なんといってもドル高の要因が効いている。
対ユーロではさほどのドル高ではないが、対円でドル高が顕著。対ユーロは、スペイン救済支援有無次第だが、これまでのユーロ反騰、ドル安も一巡した感じ。
材料的には、昨日今日とFOMCが開催されているが、すでにQE∞の方針を打ち出しているので、既に切り札を切ったFRBのFOMCが材料として新鮮味を欠く。
一方、スペイン地方選挙もラホイ政権の脆弱性を浮き彫りにして、リスクオフの要因になりやすい。昨晩も欧州市場では、もっぱら"スペイン不安→スペイン国債利回り反騰"が、株・商品売りの材料とされた。
そして、中国経済減速。足元ではPMI(製造業購買担当者指数)に注目だが、とにかく減速傾向顕著。これは、当面弱い材料だが、新政権に移行後は利下げ、財政大型出動で思い切った政策対応してくるだろうから、その時点では買いの材料となろう。
米大統領選挙がいよいよ迫ったが、どちらが勝っても"財政の崖"に対する有効な政策手段は無い。年末にかけては、米国経済懸念のドル売りが再燃して、金も再騰と見る。