豊島逸夫の手帖

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ギリシャで売られ、米国FOMCで買われ

2012年5月17日

昨晩の国際金価格は、ギリシャ不安で売り込まれ、一時1520ドル台にまで突っ込んだが、米国住宅着工件数と米国鉱工業生産が市場予測を上回ったことで市場の警戒感が和らぎ、その時点ではリスク回避傾向が後退し、1550ドル台まで急反騰した。先物空売りの買戻しも同時進行。しかし、その後、ECBが資本不足に陥っているギリシャの銀行を相手先とした資金供給を停止とのロイター電が伝わり、再びギリシャ不安で1530ドル台まで反落。そこでNY金先物取引所は引けたのだが、その直後、FOMC議事録が公開され、前回の会合では「QE3=追加的金融緩和」積極派は増えていたことが判明するや、1540ドル台にまで反騰した。
結局1520ドル台から1550ドル台のレンジでのジェットコースター相場になったのだが、総じて、欧州関連材料で売られ、米国関連材料で買われる展開。
ユーロ安(=ドル高)で売られ、ドル安で買われ、ともいえようか。
さすがにここまで下がると、ダラダラ下げ続けるという地合いではなくなった。
筆者の方針として、日々の相場を細かく見ることは避けているのだが(木を見て森を見ずの過ちに陥りがちゆえ)、今の金市場は下値模索の重要なポイントにあるので、今朝は敢えて仔細を綴った。
引いてみれば、かなり安値圏で揉みあったという印象だ。
特に1520ドル台はアッという間に買われた。
リスク回避の売りとか、現金確保の売りとか囃されても、そもそも売るべきものを大量に抱えているわけではない。在庫は圧縮。リスク管理強化で買い持ちポジションも大きくは取れない。
それでも、NY市場では昨年の市場最高値から下げ幅が20%を超えたことで、"bear market territory" (弱気相場突入)という観測もしきりに流れる。
筆者の見方は1520ドル台まで来ると、強気に転じている。

さて、ブルームバーグに"Toshima & Associates "として機関投資家向けページを開設した。最近は機関投資家の勉強会も多いので、そこで聞かれる質問などを想定して、情報を発信してゆく。ブルームバーグ・コードはGLDである。
この端末はプロ仕様で、トレーディング・ルームやアナリストのデスクに置かれているので、個人投資家の読者が見ることは出来ないが、参考までに、画面写真を添付した。

1195.gif画面の「概要」の下に、英字で共同通信・読売・産経・朝日・NYタイムズと並び、"Toshima & Associates"の名前が載るので、かっこいいでしょ!(笑)と子供みたいに面白がって手を広げて仕事増やし、結局自分の首絞めているのだけどね・・・。あくまでWLB(ワークライフバランス)重視のペースは崩さず。遊ぶときは徹底的に遊ぶのだ。

2012年