2012年4月19日
トムソンロイターGFMS社が発表した2011年金需給統計の主たる数字を纏めた。比較として2010年と2002年の統計も入れてある。
(単位は全てトン)
2002年 | 2010年 | 2011年 | |
---|---|---|---|
新産金 | 2625 | 2740 | 2818 |
公的売却量 | 547 | -77 | -455 |
リサイクル | 874 | 1719 | 1661 |
宝飾品需要 | 2662 | 2017 | 1973 |
工業用 | 481 | 767 | 786 |
投資需要 | 523 | 1490 | 1271 |
こうして10年前と比較すると、宝飾需要が減少して、投資需要が急増していることが確認できる。金がコモディティー(商品)から金融商品にシフトしていることが明らかである。
生産面では鉱山会社の新産金が若干増えた程度で、ほぼフラットに近い。
しかし、二次的供給源といわれるリサイクルが激増している。
公的部門が売り手から買い手(マイナスの売却量)に転じたことも画期的な出来事だ。
2010年と2011年の比較では、やはり公的部門の買い越し量が急増したことが目立つ。
リサイクルが若干減っているのは、価格の先高観が強かったため、より高値を期待して、売り控える人たちが増えたことを意味する。また、リサイクルで売られる量がある程度出尽くした面も否定できない。
投資需要が引き続き高水準であるが、その内訳を見ると、2010年は欧米が大きく買い越したのだが、2011年は新興国の買いが突出している。
欧米の買いは短期的売買が多いので、2011年の史上最高値近辺でかなり利食われたのだろう。一方、新興国は、下がったところをすかさず拾っている。また、更なる価格上昇を見込んでの買いも多かったようだ。