豊島逸夫の手帖

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それでも欧州高官は夏休み

2012年7月24日

8月になればメルケル首相もショイブレ財務相も当然の如く数週間の夏休みに入るとのこと。スペイン・ギリシャも夏休みモードだ。
ラホイ首相がゴルフに興じる写真などがメディアを賑わすかもしれない。
仮に日本が債務危機に陥ったとして首相が長期休暇に入ればブーイングの嵐となろうが。
いずれにせよ、欧州債務問題は8月になれば水入りとなろう。
正念場は9月。
特に今年の8月は、世界の目がロンドン・オリンピックのほうにくぎ付けになる。
ラホイ首相は、スペイン銀行救済合意の最中、欧州サッカー選手権のスペイン・ナショナル・チーム応援にポーランドまで出かけ顰蹙を買った「実績」がある。
ロンドン・オリンピックにラホイ首相ら各国首脳が集結し、スペイン救済問題の「非公式協議」の機会ともなればよいのだが。
水入り期間中もスペイン国債には売り圧力がかかりやすいが、7.6%の利回りが魅力で買い手がついていることも事実。
買い手の読みは、スペインはギリシャと違い大国。Too big to fail 大きすぎて破たんさせられない。いずれEUも救済せざるを得ないということだ。
しかも、ヘッジファンドは空売り規制をかけられた。
トレーダーの感覚としては、スペイン国債利回りは、今がピークとも考えられる。
ここまでスペイン国債を売ってきた人たちといえば、一般・機関個人投資家のパニック売りとヘッジファンドの空売りであった。
投資家のパニック売りが一巡すれば、空売りなき市場には、投機買いしか残らぬ。

2012年