2012年9月20日
昨晩の米国経済チャンネルCNBCを見ていたら、尖閣沖を走行する中国海洋監視船の映像に、「Will there be a war?」(戦争か?)のヘッドラインが重なる。キャスターのコメントも、「日中両国政府とも国内に充満する不満のはけ口として、領土問題を利用している。」というお粗末な説明。そもそも尖閣問題など、彼らのレーダースクリーンには微塵も見えなかった。激しい反日デモの映像にしても、米国はイスラム圏で更に激しい反米デモに晒され、駐リビア米大使が巻き込まれ死亡したばかり。(米国で制作された映画がイスラム教の預言者ムハンマドを侮辱しているとの問題。)そして欧州で激しいデモとなると、マドリッドの反緊縮デモの映像ばかりだ。
日本から尖閣問題に対する情報発信の必要性を強く感じる。
そして今日からブリュッセルで、EUと中国のサミットが始まる。昨日は前哨戦のジャブ応酬があった。記者会見から「反中国報道」を流す「常習者」と見做される記者たちを排除しようとの中国側の露骨な動きだ。本会議での問題は、中国製ソーラーパネルのダンピング問題。中国とEUはお互い重要な貿易パートナーであり、特にドイツのメルケルおばさまもギリシャにはきついが、ロシアには歩み寄りの姿勢が鮮明である。温家宝首相も出席するサミット。中国も領土問題ばかりに構っている場合ではないのだ。
さて、プラチナ価格が南ア鉱山紛争収束とともに急落。といっても一時は1300ドル台まで下がった価格が1700ドル以上まで急騰したあとの反落で、依然1600ドル台。南ア政情不安による価格プレミアムは剥落するが、QE3による過剰流動性相場になったので、QEプレミアムが価格のレンジを200ドル以上底上げした感じだ。
金プラチナ値差も一時は200ドル以上に拡大したが、100ドル以下にまで縮小。足元では再び100ドル以上に拡大とめまぐるしい。
基本的には世界的景気後退による実需減退を、QE余剰マネーの買いが支える構図となりそう。金より売られやすい状況に変わりなし。
ボラティリティーが激しいメタルゆえ、200ドル上がれば、200ドル下がる局面も当然あり得るわけで、プラチナ保有には毎度のことながら忍耐が試される。