豊島逸夫の手帖

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ギリシャ支援合意で金、プラチナ急騰

2012年2月22日

「米国超金融緩和 2014年終盤まで継続」とのFRBの金利見通しを受け、高値圏ながらも上昇基調を続ける金。しかし、短期的にはギリシャのデフォルトでマーケット全体がリスク・オフになると、金も売り込まれる可能性があった。しかし、昨日ギリシャ支援が合意を見たことで、リーマンショック直後のように総リスク・オフの中で、金も売られるという可能性は薄まった。
更に、中国が預金準備理率引き下げに動き、世界的金融緩和モードが加速。
すかさず、待ってましたとばかりに、金市場にリスクマネーが流入。30ドル急伸して、1760ドルを突破した。更に、プラチナは金を上回る上昇。金プラチナ価格が逆転して、一時は、金がプラチナより200ドル以上高くなったが、ここにきて、一気に70ドル程度まで値差が縮小した。
やはり、ギリシャ危機が当面後退し、リスク・オンに転じた場合に、最も敏感に反応するのは、"産業用素材"としてのプラチナであるようだ。金は、"産業用素材=商品(コモディティー)"の顔と、"通貨"の顔と二面性を持つので、リスク・オフでも「有事の金」という特需が発生することもある。しかし、この金特需は、リスク・オンになれば細ってゆく。
但し、金プラチナ価格逆転現象が、ここで一気に順ザヤに戻るかといえば、まだ時間はかかるだろう。
ギリシャ危機も、解決には程遠い。
欧州発リセッションによるプラチナ実需の落ち込みは、構造的問題だ。

なお、魚の目で見た相場観は不変。
世界的金融緩和マネーが流入するメイン・シナリオが継続しつつ、短期的にはギリシャ・リスクで市場のリスク・センチメントが、オンにもオフにも振れる。この状況は未だ続きそうだ。

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2012年