豊島逸夫の手帖

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世界のマネー「流動性への逃避」現象続く

2012年6月6日

世界の投資マネーが「安全性への逃避」でドル回帰と言われる。しかし、米国経済の窮状を見れば、誰も本音では、米ドル、米国債を「安全資産」などとは思っていまい。いつでも売り手と買い手がいる、という安心感で特に機関投資家が米国債を好むのだ。大きな魚は大きな池に安堵感を覚える。

さて、昨日の日経夕刊一面に「金>白金」という見出しで、一般読者向け記事が載った。プラチナの方が金より希少性が高いのになぜ安いの、という素朴な疑問はごもっとも。結局、生産量が少なくても、需要がついてこなければ、供給過剰になり、価格は下がる。そして、今の価格水準は生産コストも割り込んでいるといわれる。これは、希少なので市場で売買される量(流動性)も限られ、そこに、投資マネーが流出入すると価格が大きく振れがちということだね。その記事で、筆者の「この価格逆転現象は長期化」と言うコメントも載っているが、長期化するけど、水準として今はかなりの低水準といえるね。5-10年のスパンで持つ人には値ごろ感があると思うよ。

そして、今朝の日経朝刊2面「電子版 この一本」では昨日の金つぶ原稿「ギリシャ、忍び寄る中国の影」が掲載された。昨日の電子版記事総合アクセスランクで一位になったので。やはり、ギリシャと中国は皆が気になるのだね。

2012年