豊島逸夫の手帖

Page1284 緊縮デモ、ロンドンに飛び火

2012年10月22日

21日のロンドン市内で、数千人規模の労働組合団体主催の反緊縮デモが行われた。英国財政赤字削減のための大幅歳出カットに「もはや国民生活は我慢の限界」「緊縮政策は、不況経済の処方箋とはならず」などのプラカードが目立つ。

一方で、スペインでは21日行われた地方選挙の出口調査結果が出始めた。
まず、ラホイ首相のお膝元ガリシア州では、同首相所属の中道左派国民党の過半数維持が微妙な段階であったが、出口調査では39から42議席と過半数確保の模様だ。事前予測では39議席以下の落ち込むとの見方が優勢であった。
スペインがEUからの救済申請に動き始めてから初の選挙ゆえ、その結果は救済条件としての緊縮遵守に対する民意を計るリトマス試験紙と見られていた。
マーケットでは、このスペイン地方選挙ラホイ首相地元で選挙敗北=国民の緊縮条件拒否=ラホイ首相、救済申請せずの可能性強まり、リスクオフ、と読んでいた。
しかし、僅差の勝利で、首の皮一枚つながった感じで、22日朝のアジア時間ではマーケットにはとりあえずの安堵感が漂う。

そして、21日に地方選挙が実施されたもうひとつの地域、バスク州では、論戦の焦点が、州独立問題。
中央政府からの独立を求める新党「ビルドゥ」躍進が予想されたが、出口調査では23-26議席獲得。バスク国民党(PNV)が24-27議席と僅差の一位を確保しそうだ。
ラホイ首相率いる国民党(PP)は社会党(15議席)も下回る11議席の見込みで、第四党へ転落となる模様。その結果、PNWが第一党になれば、社会党かビルドゥとの連立を模索することになるので、そのパートナー選択が注目される。
現地からの情報では、ビルドゥとの連立は避けるのではないかとの見方が優勢。バスク州の選挙民は、中央政府からの独立は望みつつも、独立推進急進派による頻繁なテロ行為でこれまで825人もの死者を出しているので、「政情安定」を求める風潮も強い。
急進派は「5年間の休戦協定」を昨年発表していたので、今回はバスク州として初の「恐怖から解放された自由な」選挙であった。

スペイン地方選挙に関して、マーケットの次の関心は、11月25日の最大州カタルーニャに移る。
21日の地方選挙結果により、ラホイ首相は、救済申請を11月後半まで先送りする公算が高まったといえよう。それまではスペイン発のリスクオフ再燃局面にマーケットは身構えることになりそうだ。

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