2012年11月28日
イスラムは、金利を不労所得として禁止している。配当金とか分配金ならOK。
そこで、イスラム金融の世界では、あれこれ考えて、ゼロクーポン債とか金利はつかないけど、なんらかのリターンを捻出できる仕組みを作っている。
そのような市場では、金の金利がつかないという欠点が、逆に利点になる。
更に、現地で感じたことは、ドルだと米国の匂いがするし、ユーロは欧州の匂いがするので、金という無国籍通貨ならナショナリズムの匂いがしないことも、彼らにとっては好都合であるという点。
なんせ、米国が大嫌いで「嫌米債」なる債券が存在するほど。
日本へ旅行するドバイ人の一番人気は「ヒロシマ」だそうだ。米国と戦った象徴的場所ということらしい。
また、実務的にもドバイとイランの間の決済が、今や、核問題による経済制裁で出来なくなっているので、金を決済に使う手段が民間では広がっている。
ドバイは元々、ホルムズ海峡の対岸のイランの港から移住したイラン商人(そしてイエメン人なども)が作った港町。だから、未だに経済界の上層部にはイラン系が多い。彼らの親戚・家族はイラン在住だったりする。イランとドバイは切り離せないのだ。
それを経済制裁で断絶しようとしているのだが、結局、闇の取引が増えてゆくようだ。
そこで金は便利な存在。でも、ドバイでイランの話はタブーだ。私がうっかり質問でイランに触れたら、その場の雰囲気が凍りついたのが分かった。
但し、ゴールド・スークでは白系のジュエリーが目立った。中東=22Kゴールドジュエリーとばかりはいえなくなっている。ファッションの多様化による現象だ。といっても18Kホワイトゴールドだから75%は金ゆえ、ゴールドに変わりはないけど。
プラチナはあまり見かけない。シルバーは見かける。安価だから手頃なのだ。
なお、インドの国内消費の金の半分以上はドバイ経由なので(そのほうが安い)、インドの金需要が把握できるのだが、今年はmassive(非常に)悪いと言っていた。
通年でマイナス30%程度になりそう。それでも年間700トン前後はあるけど。以前は1000トンあったからね。ルピー安でインド国内金価格が上がってしまったことが大きい。
今日も写真を貼っておきます。
商品取引所のトップと対談。
828メートルのスカイツリーより高い世界一の高層ビル160階から見た金融街。
江連さんが試着した22Kジュエリー。日本人がつけるとジュエリーが歩いているみたいで似合いません(笑)。
ギネス認定の世界一大きなゴールドの指輪。(本物の金製)
ゴールド・スークを歩く。
ブルジュ・ハリーファの全景。この最上階から撮ったのが金融街の写真。
同じくそこから撮ったクリークの街並み。