2023年1月25日
本日10:00発表の金小売価格(消費税込)は8,977円/g。
2022年4月20日の8,969円/gを8円/g上回った。
昨年と異なりNY金主導の高値更新だ。昨年は円安主導の新高値であった。
足元で金国際価格は1940ドル台まで上昇(KITCOグラフ緑線参照)。
1600ドル台の底値圏から乱高下を繰り返しつつ1900ドル台まで下値を切り上げてきた。力強い上昇パターンだ。
このNY金急騰は金市場だけ見ていても分からない。マクロの視点でマネーの流れを見ればNY株は総悲観、ドル建て債券にマネーは流れやすい。
市場環境ではFRB利上げの材料が効いている。
利上げも最終段階に入りあと2~3回。0.25%程度で打ち止めになるか。打ち止め後、FRBは5%超の政策金利を年内維持と語っているが、市場はそんな高金利水準を続けたら米国経済は大不況に陥るから、結局FRBは年内に利下げへ転換せざるを得ないと先読みしている。その結果ドル金利頭打ち、外為市場ではドル安基調。まさに金が上がる素地が醸成されている。
昨年はインフレヘッジの金がテーマであったが、今年は米国経済の利上げ不況リスクが新たなテーマになっている。
需給では中国などの公的金準備増強が効いている。
円は130円前後で膠着しているが、基本的に円安水準に留まるので円建て金価格上昇を支えている。
筆者の年初予測1800~2100ドルは変わらない。
まずは2000ドルを目指す。ここはFRBの金融政策により紆余曲折もあろう。一筋縄で更なる高値更新とは行かない。じっくりレンジの下値を切り上げる展開となろう。