豊島逸夫の手帖

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国際金価格、下押し局面

2023年11月8日

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週明けの国際金価格は一時スポットで1960ドルを割り込む局面があったが、その後1970ドルを回復した。流れとしては下値を固めつつある。

金急落の理由はFRB高官発言。
ウォールストリートジャーナルとブルームバーグがミネアポリス連銀カシュカリ総裁の談話として「金融政策当局はまだインフレとの闘いに勝利していない。必要となれば更なる引き締めを検討するだろう。」との記事を流した。同氏はFOMCでタカ派として知られる。
カシュカリ総裁発言の後、シカゴ連銀グールズビー総裁が米国CNBCに生出演。同氏はインフレ減速が顕著であり、多少の景気後退感で経済軟着陸は可能だと述べた。こちらはハト派的なコメントだ。この発言が金反騰のキッカケになった。

かくして、FRB高官発言に一喜一憂する相場は、やはり米国金融政策に振り回される金価格を映している。
今週はFOMC前のブラックアウト期間に発言できなかったFRB高官が相次いでコメントする予定。更にパウエル議長も講演する。

なお、今週は米国債入札も行われ、その結果は特に注目の米10年債に影響を与えそうだ。
FRB高官発言はドル円相場にもドル買い要因として影響を与えた。雇用統計で149円台の円高方向に動いていたが、結局150円台に戻した。

2023年