豊島逸夫の手帖

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2023年、新年NY金高騰

2023年1月10日

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御用繁多で年末年始ブログ更新間隔が開いた。
NY金は新年早々1900ドル視野の水準まで上昇中。
上がったり下がったりを繰り返しつつ底値が徐々に切り上がっている。
但し、ドル安円高により円建て金価格は相殺される局面も多い。

2022年の金市場テーマはインフレであったが2023年は利上げ不況=リセッションに移りつつある。
利上げによる景気後退を織り込み、ドル金利には下落圧力。金利を生まない金には追い風。
年後半は不況対策として利上げから利下げに切り替わる可能性を市場は重視している。但しFRBはインフレ根絶やしのため徹底的に経済を引き締める作戦で、その副作用としてのリセッションも辞さずの構えだ。マネーは株から債券・金に流れやすい市場環境と言える。NY金が下がるシナリオとしては米国経済が熱過ぎてインフレにならず、冷え過ぎてデフレにもならない、所謂軟着陸成功のケースだ。まぁ金をヘッジとして持ちつつ、それが役立たないのが一番良い。残念ながら役立ってしまう市場環境なのだが。

外為市場では年後半のFRB利下げを見込みドル安傾向。ドルの代替通貨としての金、更にはQTの影響を受けたクレジットリスクを考慮すると誰の債務でもない金にスポットライトが当たりやすい年でもある。ドル円については誰が日銀総裁になっても円金利上昇余地は乏しく、ドル円金利差は引き続き大きく乖離しているので、円安圧力も依然強い年だ。

それから中国のゼロコロナ撤廃で人流が増えると中国国内の金買いは増える。特に春節には。

2023年