豊島逸夫の手帖

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国際金価格、反発

2023年11月10日

昨日のNY市場では、まず米国30年債入札がugly(醜い)と言われるほど不調、つまり米国債買い手が少ない結果に終わり、米国債への信認が低下していることが露わになった。国が発行する国債が信じられないなら、やはり安全資産は金かとの連想で金が買われたのだ(KITCOグラフ緑線参照)。

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更に、リッチモンド地区連銀バーキン総裁が「米経済は減速していることは間違いない。信用不安の兆しもある。」と発言して、これも金には追い風となった。

しかし、NY後場になりパウエル氏の講演発言が実況中継されると、11月FOMCよりタカ派的トーンが目立ち、これが金価格の頭を打つ結果になった。「インフレ減速しているが、これがホンモノか否かは定かでない」というような自信なさげな物言いが追加利上げ観測を煽ったのだ。
まぁ結果的には国際金価格の下げに歯止めがかかった。

なお、円相場は151.30円まで円安加速。日銀対AIのバトルになっている。

さて、毎年恒例の日経マネー別冊金特集の制作がやっと終わり、監修役の筆者もヤレヤレ。筆者は巻頭で6ページほどあれこれ書いたので、3人座談会では良き後輩の亀ちゃん、池ちゃんにできるだけ多く語ってもらった。それから家族ぐるみの付き合いで筆者の業界での妹分でもある尾河眞樹ちゃんと為替対談。中身は金対談よりこっちの方が濃かったかなぁ。それから日経マネー本誌にはレギュラーコラムの「豊島逸夫の世界経済深層真理」で国際経済情勢について書いた。20日発売予定。乞ご期待。立ち読みではなく、買ってあげてね(笑)。雑誌の世界もなかなか大変なようで。

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2023年