豊島逸夫の手帖

Page3796

金暴落

2023年10月3日

3796(KITCO).jpg

5日連続で国際金価格は下げ続け、1800ドル寸前だ。
投機筋の買い方が見切り、投げてきている。
背景は17年ぶりのドル金利高とドル高。
短期的には売り方有利な情勢だ。

しかし、ここからが大事なことだが長期的上昇トレンドが壊れたわけではない。なぜか。来年にはFRBが利下げに転じるからだ。

来年前半と来年後半とタイミングは割れるが、大筋米金融政策がインフレ減速に反応して、引き締めから緩和に転じることはFOMC参加者の多くも認めているところだ。
(中央銀行の年間1000トン前後の金買いもまだ生きている材料だ。しかし投機筋は年間の勝負ではなく、週間、月間の勝負をしている。それゆえ彼らは中銀の買いを無視する。)

ただ来年まで待てず、取りあえず今年中に何とか利益を出さねばならないファンドは、11月追加利上げも見込み、金を売り込んでいる。売りが売りを呼ぶ展開だ。

短期と長期ときっちり分けて今の相場を見ることが重要なのだ。
私の来年の金予測の下限は依然1900ドルで変わらない。

2023年