豊島逸夫の手帖

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NY市場で金専門家不足

2023年3月6日

NY市場で金担当のトレーダーたちの大半は株式、債券、外為などの部門から異動してきた連中が圧倒的に多い。金は株価、金利、ドルの動きで決まるから特に問題ないのだが、金業界生え抜きの専門家は今や「絶滅危惧種」である。
NYの仲間たちから今春NYで日本株についてのレクチャーを頼まれたのだが、私が金の専門家ゆえ是非金の話も聞きたいと言う。今やNY市場にはディープな金の世界を知る者がいないので貴重な機会だと言う。
確かにNYの場合は金について「原油の専門家」が金担当も兼務するなどの事例が多い。俄か金専門家集団だ。
要は金市場のことを知らなくても金融商品化した金のトレーディングはできる。

さて、現状のNY金は1800ドルの下値を確認して1850ドルまで反騰中だ。
目先は10日の雇用統計、14日の米CPI、15日の米PPIと小売売上高を控える。インフレトレンドがパウエル議長の言うとおりディスインフレーションなのか。今週はパウエル議長の議会証言もある。
3月FOMCも含めここが年前半の山場になりそう。1月雇用統計の如くウォール街の全員が唖然とするようなことが起きると瞬時に相場の景色が変わる。重要なマーケットイベントが続く。

2023年